本記事では、ボクシングの階級ごとに現在の主要4団体であるWBA(世界ボクシング協会)、WBC(世界ボクシング評議会)、IBF(国際ボクシング連盟)、そしてWBO(世界ボクシング機構)のそれぞれの世界王者を一覧形式で詳しくご紹介します。ボクシングには、体重によって分けられる多くの階級があり、その階級ごとに世界王者が存在します。本記事では、最新情報をもとに、主要な階級別に4団体の王者をまとめています。(※更新が遅れる場合もございますのでご了承ください。)
また、各階級の主要選手や上位ランカーの選手についても、関連URLを一覧でご用意しています。各リンクからは、選手ごとの詳細なプロフィールや戦績、さらには選手の戦い方、ファイトスタイルなどを簡単にチェックすることができます。ぜひご覧ください。
世界主要4団体の違い
ボクシングには4つの主要な世界王座認定団体があり、主な違いとして、管轄する協会や機構、また、試合のルールに違いがあります。以下では、WBA、WBC、IBF、WBOの4団体について、その特徴的なルールを詳しく解説します。
1. WBA(World Boxing Association – 世界ボクシング協会)
- 設立年: 1921年
- 加盟国: 90か国
- 特徴: WBAは最も歴史が古いボクシング団体で、多くの国が加盟しています。この団体は、1ラウンドで3回ダウンした場合に即ノックアウト負けとなる「スリーノックダウン制」を採用しています。
2. WBC(World Boxing Council – 世界ボクシング評議会)
- 設立年: 1963年
- 加盟国: 161か国
- 特徴: WBCは加盟国数が最も多いボクシング団体です。この団体の最大の特徴は、「オープン・スコアリング・システム」を採用していることです。これは、4ラウンドと8ラウンドの終了時に採点を公表するシステムで、選手の戦い方や観客の見方に大きな影響を与えます。また、WBCは1ラウンドで何回ダウンしても試合が続行される「フリーノックダウン制」を採用しています。
3. IBF(International Boxing Federation – 国際ボクシング連盟)
- 設立年: 1983年
- 加盟国: 65か国
- 特徴: IBFは「フリーノックダウン制」を採用しており、1ラウンドで何回ダウンしても試合が続行されます。
4. WBO(World Boxing Organization – 世界ボクシング機構)
- 設立年: 1988年
- 加盟国: 27か国
- 特徴: WBOもWBAと同様に「スリーノックダウン制」を採用しており、1ラウンドで3回ダウンした場合は即ノックアウト負けとなります。
階級別世界王者一覧
ミニマム級 (47.62キロ)
団体 | WBAスーパー王座 | WBC | IBF | WBO |
国 | タイ | フィリピン | フィリピン | プエルトリコ |
選手名 | ノックアウト CPフレッシュマート | メルビン ジェルサレム | ペドロ タドゥラン | オスカー コラーゾ |
戦績 | 25-0-0-0 (9) | 24-3-0-0 (13) | 17-4-1-0 (13) | 10-0-0-0 (7) |
ミニマム級主要選手
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ライトフライ級 (48.97キロ)
団体 | WBA | WBC | IBF | WBO |
国 | – | – | 日本 | 日本 |
選手名 | 空位 | 空位 | 矢吹正道 | 岩田翔吉 |
戦績 | – | – | 17-4-0-0 (16) | 14-1-0-0(11) |
ライトフライ級主要選手
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フライ級 (50.80キロ)
団体 | WBA | WBC | IBF | WBO |
国 | 日本 | – | メキシコ | アメリカ合衆国 |
選手名 | ユーリ 阿久井政悟 | 空位 | アンヘル アヤラ | アンソニー オラスクアガ |
戦績 | 21-2-1-0 (11) | – | 18-0-0-0(8) | 8-1-0-0 (5) |
フライ級主要選手
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スーパーフライ級 (52.16キロ)
団体 | WBA | WBC | IBF | WBO |
国 | アルゼンチン | アメリカ合衆国 | アルゼンチン | 日本 |
選手名 | フェルナンド マルティネス | ジェシー ロドリゲス | フェルナンド マルティネス | 田中恒成 |
戦績 | 16-0-0-0 (9) | 20-0-0-0 (13) | 16-0-0-0 (9) | 20-1-0-0 (11) |
スーパーフライ級主要選手
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バンタム級 (53.52キロ)
団体 | WBA | WBC | IBF | WBO |
国 | 日本 | 日本 | 日本 | 日本 |
選手名 | 堤聖也 | 中谷潤人 | 西田凌佑 | 武居由樹 |
戦績 | 12-0-2-0 (8) | 28-0-0-0 (21) | 9-0-0-0 (1) | 9-0-0-0(8) |
バンタム級主要選手
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スーパーバンタム級 (55.34キロ)
団体 | WBAスーパー王座 | WBC | IBF | WBO |
国 | 日本 | 日本 | 日本 | 日本 |
選手名 | 井上尚弥 | 井上尚弥 | 井上尚弥 | 井上尚弥 |
戦績 | 28-0-0-0 (25) | 28-0-0-0 (25) | 28-0-0-0 (25) | 28-0-0-0 (25) |
スーパーバンタム級主要選手
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フェザー級 (57.15キロ)
団体 | WBA | WBC | IBF | WBO |
国 | イギリス | メキシコ | アメリカ合衆国 | メキシコ |
選手名 | ニック ポール | レイ バルガス | アンジェロ レオ | ラファエル エスピノサ |
戦績 | 21-0-1-0 (12) | 36-1-1-0 (22) | 26-1-0-0 (12) | 25-0-0-0 (21) |
フェザー級主要選手
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スーパーフェザー級 (58.97キロ)
団体 | WBA | WBC | IBF | WBO |
国 | アメリカ合衆国 | ブラジル | アイルランド | メキシコ |
選手名 | ラモンローチ ジュニア | ロブソン コンセイサン | アンソニー カカーチェ | エマヌエル ナバレッテ |
戦績 | 25-1-1-0 (10) | 19-2-1-1 (9) | 23-1-0-0 (8) | 38-1-1-0 (31) |
スーパーフェザー級主要選手
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ライト級 (61.23キロ)
団体 | WBA | WBC | IBF | WBO |
国 | アメリカ合衆国 | アメリカ合衆国 | ウクライナ | ウクライナ |
選手名 | ジャーボンテイ デービス | シャクール スティーブンソン | ワシル ロマチェンコ | デニス ベリンチク |
戦績 | 30-0-0-0 (28) | 21-0-0-0 (10) | 18-3-0-0 (12) | 19-0-0-0 (9) |
ライト級主要選手
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スーパーライト級 (63.50キロ)
団体 | WBA | WBC | IBF | WBO |
国 | アメリカ合衆国 | ドミニカ共和国 | オーストリア | アメリカ合衆国 |
選手名 | ホセ バレンズエラ | アルベルト プエジョ | リアムパロ | テオフィモ ロペス |
戦績 | 14-2-0-0 (9) | 23-0-0-0 (10) | 25-0-0-0 (15) | 20-1-0-0 (13) |
スーパーライト級主要選手
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ウェルター級 (66.68キロ)
団体 | WBA | WBC | IBF | WBO |
国 | リトアニア | アメリカ合衆国 | アメリカ合衆国 | アメリカ合衆国 |
選手名 | エイマンタス スタニオニス | マリオ バリオス | ジャロン エニス | ノーマン ジュニア |
戦績 | 15-0-0-1 (9) | 29-2-0-0 (18) | 32-0-0-1 (28) | 26-0-0-2 (20) |
ウェルター級主要選手
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スーパーウェルター級 (69.85キロ)
団体 | WBA | WBC | IBF | WBO |
国 | アメリカ合衆国 | アメリカ合衆国 | ロシア | アメリカ合衆国 |
選手名 | テレンス クロフォード | セバスチャン フンドラ | バフラム ムルタザリエフ | セバスチャン フンドラ |
戦績 | 41-0-0-0 (31) | 21-1-1-0 (13) | 22-0-0-0(16) | 21-1-1-0 (13) |
スーパーウェルター級主要選手
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ミドル級 (72.57キロ)
団体 | WBA | WBC | IBF | WBO |
国 | アメリカ合衆国 | ドミニカ共和国 | カザフスタン | カザフスタン |
選手名 | エリスランディ ララ | カルロス アダメス | ジャニベク アリムハヌリ | ジャニベク アリムハヌリ |
戦績 | 31-3-3-0 (17) | 24-1-0-0 (18) | 16-0-0-0 (11) | 16-0-0-0 (11) |
ミドル級主要選手
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スーパーミドル級 (76.20キロ)
団体 | WBAスーパー王座 | WBC | IBF | WBO |
国 | メキシコ | メキシコ | – | メキシコ |
選手名 | サウル アルバレス | サウル アルバレス | 空位 | サウル アルバレス |
戦績 | 62-2-2-0 (39) | 62-2-2-0 (39) | – | 62-2-2-0 (39) |
スーパーミドル級主要選手
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ライトヘビー級 (79.38キロ)
団体 | WBAスーパー王座 | WBC | IBF | WBO |
国 | カナダ | カナダ | カナダ | カナダ |
選手名 | アルツール ベテルビエフ | アルツール ベテルビエフ | アルツール ベテルビエフ | アルツール ベテルビエフ |
戦績 | 21-0-0-0 (20) | 21-0-0-0 (20) | 21-0-0-0 (20) | 21-0-0-0 (20) |
ライトヘビー級主要選手
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クルーザー級 (90.72キロ)
団体 | WBAスーパー王座 | WBC | IBF | WBO |
国 | メキシコ | ドイツ | オーストラリア | イギリス |
選手名 | ヒルベルト ラミレス | ノエル ゲボール | ジェイ オペタイア | クリス ビラム=スミス |
戦績 | 45-1-0-0 (30) | 27-2-0-0 (12) | 25-0-0-0 (19) | 20-1-0-0 (13) |
クルーザー級主要選手
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ヘビー級 (90.72キロ以上)
団体 | WBAスーパー王座 | WBC | IBF | WBO |
国 | ウクライナ | ウクライナ | イギリス | ウクライナ |
選手名 | オレクサンドル ウシク | オレクサンドル ウシク | ダニエル デュボア | オレクサンドル ウシク |
戦績 | 22-0-0-0 (14) | 22-0-0-0 (14) | 22-2-0-0 (20) | 22-0-0-0 (14) |
ヘビー級主要選手
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ボクシングランキング階級別記事一覧 | |
全階級PFP | ライト級 |
ミニマム級 | スーパーライト級 |
ライトフライ級 | ウェルター級 |
フライ級 | スーパーウェルター級 |
スーパーフライ級 | ミドル級 |
バンタム級 | スーパーミドル級 |
スーパーバンタム級 | ライトヘビー級 |
フェザー級 | クルーザー級 |
スーパーフェザー級 | ヘビー級 |
ボクシングの階級の数は?
プロボクシングの階級は男子が17種類、女子が18種類と選手の体重によって細かく分けられています。
階級を分ける目的とは?
ボクシングという競技は当初、階級分けがなく無差別で行われていましたが、以下のような背景から階級制度が導入されたと言われています。
興行収入などの商業目的のため
階級が細かくなるということは、各階級にそれぞれ世界王者が存在するということになります。そのため、タイトルマッチや団体同士のマッチメイク、各階級別の大会などを多数開催することができます。試合数が増えればその分、興行収入を得やすくなり、複数階級に分けることは、商業的にプラスとなることが考えられます。
公平に試合を行うため
ボクシングは他のスポーツと比べて体重による戦力差が大きく、少し違うだけでパンチ力に大きく影響します。また、選手の身体を守ることを目的として、階級が細かく設定されたとも言われています。
世界チャンピオンの種類
正規王座
正規王座は、プロボクシングにおける通常の世界王座であり、各階級の真の世界王者を指します。これは、選手が正式なタイトルマッチで勝利し、全ての団体に認められた王者が保持する王座です。正規王座は、ボクシング界で最も権威のあるタイトルとされ、通常は防衛戦を行うことでその地位を維持します。
暫定王座
暫定王座は、正規王者が怪我や事故、その他の理由で防衛戦を行えない場合に設置される、代理的な王座です。暫定王座は、正規王者が復帰するまでの間にその階級でのチャンピオンを決定するために設けられます。正規王座が復帰するなど、暫定王座とのマッチメイクが可能となれば統一戦を行うことによって、最終的なチャンピオンを決定させます。
スーパー王座
スーパー王座は、世界ボクシング協会(WBA)が導入した、新しい上位のボクシング王座制度です。この制度のもとで認定された王者をスーパー王者と呼びます。スーパー王座は、従来の世界王座よりも上位に位置付けられ、特定の条件を満たした卓越した王者に与えられます。
スーパー王座の導入により、WBAは通常の世界王座(レギュラー王座)とスーパー王座の2つの階層を持つことになりました。スーパー王者は、複数の団体で同時に王座を保持するなど、特に優れた実績を持つ王者に認定されます。この制度により、王者の権威を高め、さらなる競争を促進することが目的とされています。
統一王座
統一王座とは、複数のボクシング世界王者認定団体(WBA、WBC、IBF、WBOなど)で同時に王者となったボクサーのことを指します。各団体が独自に世界王者を認定するため、通常は各階級に複数の王者が存在しますが、近年、複数の団体で王者が乱立し、誰が最強か分かりづらくなっていました。そこで、各団体の王者同士が対戦し、真の最強を決める「王座統一戦」が行われるようになりました。
歴代4団体統一王者達成者
- 井上尚弥: バンタム級、Sバンタム級
- デヴィン・ヘイニー: ライト級
- テレンス・クロフォード: Sライト級、ウェルター級
- ジョシュ・テイラー: Sライト級
- ジャーメル・チャーロ: Sウェルター級
- バーナード・ホプキンス: ミドル級
- ジャーメイン・テイラー: ミドル級
- サウル・アルバレス: Sミドル級
- オレクサンドル・ウシク: クルーザー級、ヘビー級
WBSSとは
ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)は、Comosa社が主催するプロボクシングのトーナメント戦です。2017年から開始され、主要四団体(WBA、WBC、IBF、WBO)のチャンピオンと世界ランキング15位以内の強豪選手が参加します。このトーナメントは、各階級で最強の選手を決定することを目的としており、第1回大会ではスーパーミドル級とクルーザー級が開催され、第2回大会ではバンタム級が進行しました。WBSSで各階級の最強が決まることで、ボクシング団体の格付けもより明確になり、優勝を手にした選手は高額なファイトマネーとボクシングの名声を得ることができます。
歴代優勝者一覧
第1シーズン(2017–18)
- クルーザー級
優勝: オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
準優勝: ムラト・ガシエフ(ロシア) - スーパーミドル級
優勝: カラム・スミス(イギリス)
準優勝: ジョージ・グローブス(イギリス)
第2シーズン(2018–19)
- スーパーライト級
優勝: ジョシュ・テイラー(イギリス)
準優勝: レジス・プログレイス(アメリカ) - バンタム級
優勝: 井上尚弥(日本)
準優勝: ノニト・ドネア(フィリピン) - クルーザー級(2回目)
優勝: マイリス・ブリエディス(ラトビア)
準優勝: ユニエル・ドルティコス(キューバ)
*本記事ではWBA公式サイト, WBC公式サイト, IBF公式サイト, WBO公式サイト, 日本ボクシングコミッション公式サイト, RING誌公式サイト, ESPN公式サイト、BoxRecサイトから引用しています。
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