アルツール・ベテルビエフ選手の戦績と強さ分析【ボクサー紹介】

ボクサー強さ解説
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本記事では、ライトヘビー級の2代巨頭の一角として君臨する、圧倒的な強さを誇るボクサーアルツール・ベテルビエフについて解説する。ベテルビエフは、類まれなパワーと卓越した技術を持ち合わせ、世界中のファンを魅了してきた選手だ。これまで数々の強豪を打ち倒し、驚異的なKO率という戦績を誇る彼。この記事では、ベテルビエフの戦績やファイトスタイル、そして彼の圧倒的な強さの秘密に迫っていく。ぜひ最後まで読んで、彼の強さの真髄を感じ取ってほしい。

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プロフィール

名前アルツール・ベテルビエフ
生年月日1985年1月21日
デビュー2013年6月8日
出身地ハサヴユルト(ロシア)
身長182cm
リーチ185cm
タイプ右ボクサーファイター
階級ライトヘビー級 (79.38キロ
実績主要3団体統一(ライトヘビー級)

アルツール・ベテルビエフ(Artur Beterbiev)は、1985年1月21日にロシア連邦チェチェン共和国で生まれた。幼い頃からボクシングに取り組み、ロシア国内外で数々の大会に出場し成功を収めた。
現在、ベテルビエフはカナダを拠点に活動しているが、彼の原点はロシアのアマチュアボクシングにある。アマチュア時代には、数々の国際大会で活躍し、特にヨーロッパ選手権や世界選手権でのメダル獲得が印象的だ。

2009年にプロ転向後、彼はすぐに頭角を現し、現在ではWBC、IBF、WBOの3つの世界タイトルを保持する統一ライトヘビー級チャンピオンとして君臨している。彼の圧倒的な戦績と無敗記録は、ボクシング界でも特筆すべきものだ。

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戦績

アマ戦績  300戦295勝5敗
プロ戦績  20戦20勝(20KO)無敗
世界戦戦績 9戦9勝(9KO)無敗

※2024年1月14日時点

アルツール・ベテルビエフは、アマチュア時代から既に輝かしい実績を残しており、圧倒的な強さを誇る選手だった。彼はアマチュアで300戦という膨大な試合数を経験しているが、その中でわずか5敗しかしていない。これほど少ない敗北でアマチュアキャリアを通過する選手は非常に珍しい。ベテルビエフは、この時期に数々の国際大会で成功を収めており、2006年と2010年のヨーロッパ選手権では金メダル、2007年の世界選手権では銀、2009年の世界選手権では金メダルを獲得している。さらに、2012年にはロンドンオリンピックにも出場し、その実力を世界に示した。

これらの経験は、彼のプロキャリアの強固な土台となり、現在のベテルビエフを支える要因となっている。30代後半という年齢に差し掛かり、ボクシング界ではベテランの域に入っているが、彼は無敗の戦績を維持し続けている。そして、最も驚くべきは彼のKO率100%という成績である。この圧倒的なパフォーマンスは、対戦相手に恐れられる要因となり、多くの選手が彼との試合を避けたいと感じるほどの存在感を持っている。

試合実績

日付勝敗時間内容対戦相手国籍備考
12013年6月8日2R 2:21TKOクリスチャン・クルスアメリカ合衆国プロデビュー戦
22013年9月28日3R 終了TKOライコ・ソーンダースアメリカ合衆国 
32013年11月30日1R 2:49KOビリー・ベイリーアメリカ合衆国 
42014年1月18日4R 2:44TKOガブリエル・エクロニエルフランス 
52014年8月22日1R 2:38TKOアルバロ・エンリケスメキシコ 
62014年9月27日2R 0:38KOタボリス・クラウドアメリカ合衆国NABA北米ライトヘビー級王座決定戦
72014年12月19日2R 2:21TKOジェフ・ページ・ジュニアアメリカ合衆国NABA防衛1
NABO北米ライトヘビー級王座決定戦
IBF北米ライトヘビー級王座決定戦
82015年4月5日4R 0:37KOガブリエル・カンピージョスペインIBF北米防衛1
92015年6月12日7R 1:38TKOアレクサンダー・ジョンソンアメリカ合衆国NABA防衛2
WBOインターナショナルライトヘビー級王座決定戦
102016年6月4日4R 0:54TKOエゼキエル・オズバルト・マデルナアルゼンチンNABA防衛3
112016年12月23日1R 2:44TKOイシドロ・ラモニ・プリエトパラグアイNABA防衛4
122017年11月11日12R 2:33KOエンリコ・コーリングドイツIBF世界ライトヘビー級王座決定戦
132018年10月6日4R 2:36KOカラム・ジョンソンイギリスIBF防衛1
142019年5月4日5R 0:13TKOラディボェ・カライジッチアメリカ合衆国IBF防衛2
152019年10月18日10R 2:49TKOオレクサンドル・グウォジクウクライナWBC・IBF世界ライトヘビー級王座統一戦
WBC獲得・IBF防衛3
162021年3月20日10R 1:34KOアダム・デインズドイツWBC防衛1・IBF防衛4
172021年12月17日9R 0:46KOマーカス・ブラウンアメリカ合衆国WBC防衛2・IBF防衛5
182022年6月18日2R 2:19TKOジョー・スミス・ジュニアアメリカ合衆国WBC・IBF・WBO世界ライトヘビー級王座統一戦
WBC防衛3・IBF防衛6・WBO獲得
192023年1月28日8R 2:01TKOアンソニー・ヤードイギリスWBC防衛4・IBF防衛7・WBO防衛1
202024年1月13日7R 2:00TKOカラム・スミスイギリスWBC防衛5・IBF防衛8・WBO防衛2

アルツール・ベテルビエフのキャリアには、ボクシングファンの間で特に注目される試合がいくつか存在する。

グウォジク戦:タイトル統一

まず注目すべき試合は、2019年のオレクサンダ・グウォジク戦である。この試合でベテルビエフは、すでに保持していたIBFライトヘビー級タイトルに加えて、WBCライトヘビー級タイトルを奪取し、見事にタイトルを統一した。試合は10ラウンドに及び、彼の強力なパンチと卓越したテクニックが光った瞬間であった。TKO勝利によって、ベテルビエフの名声は世界に広まり、彼がライトヘビー級で真の王者であることが証明された。

スミス・ジュニア戦:3団体統一

2022年のジョー・スミス・ジュニア戦も見逃せない一戦である。この試合では、ベテルビエフがWBOライトヘビー級タイトルを手にし、3つのメジャータイトルを保持することとなった。この試合でもベテルビエフは、持ち前のKO率100%を維持し、スミス・ジュニアを圧倒的なパワーで下した。しかし、この試合で注目すべきは、彼のパワーだけでなく、戦術的な巧みさである。スミス・ジュニアの攻撃を巧みに封じ込め、ベテルビエフは知性的なファイティングスタイルを見せつけ、KO勝利を収めた。

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ファイトスタイル・能力

アルツール・ベテルビエフは、オーソドックススタイルのボクサーファイターであり、右利きの構えから繰り出される強烈なパンチが彼の最大の武器だ。全勝無敗・全KOという驚異的な成績を残しているのは、その圧倒的な破壊力に起因しているだろう。彼の戦い方は、時に防御を犠牲にしながらも、相手を力でねじ伏せ、最終的には必ずKOで試合を終わらせる。その強力な攻撃力こそ、ベテルビエフの最大の特徴である。

攻防の距離

アルツール・ベテルビエフは、近距離と中間距離を得意とし、常に相手にプレッシャーをかけるボクシングスタイルを持っている。彼は、相手をロープ際に追い込むと即座に攻撃を仕掛け、強烈なパンチを放つことで試合の主導権を握る。一方で、遠い距離での戦いはあまり得意ではない印象があり、フットワークの歩幅が細かく小さいため、遠い距離からの大きな踏み込みの攻撃はあまり見られない。

このように、常にお互いが危険な距離にいる状況を作り出すため、彼の試合は非常に緊張感のあるものになることが多い。相手はベテルビエフの強力なパンチを警戒しなければならず、試合全体を通して高い緊張感が漂う。

オフェンス

アルツール・ベテルビエフの攻撃は、左右両手からのストレートとフックが強力である。彼のスピードはやや遅めだが、その威力は凄まじく、一度彼の攻撃に捕まれば試合がすぐに終わってしまうほどの高いパワーを持ち合わせている。

特に、左ジャブ・左フックを起点としたコンビネーションは、精度が高く、重量級らしい圧倒的な威力を誇る。また、相手の左ジャブに合わせた右のクロスカウンターも一級品である。とにかく無駄な動きが少なく、コンパクトな攻撃を次々に繰り出す彼のスタイルは、攻撃の的中率も非常に高く、世界トップクラスのレベルにあると言える。

さらに、ベテルビエフはボディへの攻撃にも長けており、相手の体力を徐々に奪っていく。彼のパンチは力任せに打つのではなく、正確なタイミングと精度を持って打ち込まれるため、常に相手はプレッシャーを感じることになる。

ディフェンス

相手の様子を伺っている時は、ガードを顔の前にガッチリと固め、必要最低限のバックステップでパンチを見切る。非常に冷静で丁寧ではあるものの、シンプルな守りである、テクニック的にはやや低い印象。相手の攻撃の被弾も多く、これまでにダウンを奪われたこともあるため、ベテルビエフのディフェンスは少し穴がある印象だ。

ロープ際に追い詰め、攻め入る時は丁寧にガードすることはせず完全に攻撃重視型になる印象がある。そういった攻防のメリハリがとてもハッキリしているスタイルである

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