本記事では、ライトヘビー級の2代巨頭の一角・ディミトリー・ビボル(ドミトリー・ビボル)選手について、戦績、ファイトスタイルや特徴などビボル選手のその強さについて解説していきます。
よろしくお願いします。
プロフィール
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— Dmitry Bivol (@bivol_d) November 4, 2022
名前 | ディミトリ―・ビボル(ドミトリー・ビボル) |
生年月日 | 1990年12月18日 |
デビュー | 2014年11月28日 |
出身地 | トクマク(キルギスタン) |
身長 | 183cm |
リーチ | 183cm |
タイプ | 右ボクサー |
階級 | ライトヘビー級 (79.38キロ) |
非常に美しいテクニックを備えるボクサーだ。更には繊細で的確な鋭いストレートもある。 スーパースター候補と呼ばれていたが、終盤で長くブレーキを踏むこととなり、ファンの評価をなかなか上げられない期間が続いた。理由は明白だ。安全を前提にした戦い方、 KO・TKO勝利が全くない。2018年3月を最後にKO勝利はゼロとなっている。また、4年という長い期間に奪ったダウンは一度だけだ。
戦い切るスタミナは一流だが、盛り上げる試合ができない。確実に勝利しているにもかかわらず、ファンの失望から少しずつ評価を落としていた。しかし、その矢先に彼の評判を変える出来事があった。
2022年5月、それは現役最強との呼び声が高いサウル・カネロ・アルバレスとのビッグマッチだ。高い身体能力を駆使し、アルバレスから見事に勝利を奪い状況は一変した。
更に躍進は続く。2022年11月、44連勝無敗のヒルベルト・ラミレスを少しも寄せ付けず圧勝した。
輝きを放つ逸材は、どこへ向かうのか。やはりファンの求めているものはベテルビエフとの4団体統一戦だろう。 今後の動向に非常に注目だ。
現在は、WBAスーパー世界ライトヘビー級チャンピオンだ。
戦績
アマ戦績 283戦268勝15敗
プロ戦績 22戦22勝(11KO)無敗
世界戦戦績 14戦14勝(4KO)無敗
※2023年12月23日時点
プロ戦績22戦と試合経験は多くないが、WBAチャンピオンを13回も防衛している素晴らしい成績を残している。中でも2022年に開催されたカネロ・アルバレスとの試合では、現ボクシング界の天才を支配し、危なげなく判定3-0で快勝した。そのような実績のある有名選手からも勝利しているため、ボクシング界での評価も近年、急激に上昇しているボクサーである。
試合実績
戦 | 日付 | 勝敗 | 時間 | 内容 | 対戦相手 | 国籍 | 備考 |
1 | 2014年11月28日 | 〇 | 6R 1:44 | TKO | ホルヘ・ロドリゲス・オリベイラ | ウルグアイ | プロデビュー戦 |
2 | 2015年4月10日 | 〇 | 3R 1:12 | TKO | コンスタンティン・ピテルノフ | ロシア | |
3 | 2015年5月22日 | 〇 | 4R 1:10 | TKO | ジョーイ・ヴェガス | ウガンダ | |
4 | 2015年8月27日 | 〇 | 8R 2:38 | TKO | フェリペ・ロメロ | メキシコ | WBC全米ライトヘビー級王座決定戦 |
5 | 2015年11月4日 | 〇 | 4R 1:59 | TKO | ジャクソン・ジュニア | ブラジル | WBAインターコンチネンタルライトヘビー級王座決定戦 |
6 | 2016年2月18日 | 〇 | 4R 2:44 | KO | クレイトン・コンセンシオン | ブラジル | |
7 | 2016年5月21日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | フェリックス・バレラ | ドミニカ共和国 | WBA暫定・世界ライトヘビー級タイトルマッチ |
8 | 2016年10月29日 | 〇 | 10R | 判定3-0 | エヴゲーニイ・マクティエンコ | ウクライナ | |
9 | 2017年2月23日 | 〇 | 4R | TKO | ロバート・ベリッジ | ニュージーランド | WBA防衛1 |
10 | 2017年4月14日 | 〇 | 4R 1:40 | TKO | サミュエル・クラークソン | アメリカ | WBA防衛2→正規王座認定 |
11 | 2017年6月17日 | 〇 | 4R | TKO | セドリック・アグニュー | アメリカ | |
12 | 2017年11月4日 | 〇 | 1R 3:00 | KO | トレント・ブロードハースト | オーストラリア | WBA防衛3 |
13 | 2018年3月3日 | 〇 | 12R 1:41 | TKO | サリバン・バレラ | キューバ | WBA防衛4 |
14 | 2018年8月4日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | アイザック・チレンバ | マラウイ | WBA防衛5 |
15 | 2018年11月24日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | ジャン・パスカル | カナダ | WBA防衛6 |
16 | 2019年3月9日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | ジョー・スミス・ジュニア | アメリカ | WBA防衛7 |
17 | 2019年10月12日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | レニン・カスティージョ | ドミニカ共和国 | WBA防衛8→スーパー王座認定 |
18 | 2021年5月1日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | クレイグ・リチャーズ | イギリス | WBA防衛9 |
19 | 2021年12月11日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | ウマル・サラモフ | ロシア | WBA防衛10 |
20 | 2022年5月7日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | サウル・アルバレス | メキシコ | WBA防衛11 |
21 | 2022年11月5日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | ヒルベルト・ラミレス | メキシコ | WBA防衛12 |
23 | 2023年12月23日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | リンドン・アーサー | イギリス | WBA防衛13 |
ファイトスタイル・能力
ビボルは、アウトボクシングタイプのオーソドックススタイルだ。
彼のボクシングは非常に正確であり美しさすら感じる。足を大きく開いたオープンスタンスからしなやかで器用なディフェンス、手数の多さで相手を上回るオフェンス、攻守共に非常にバランスの良い万能型ボクサーである。
オフェンス
KO率は低く、決してパワーがある訳では無いが、ここぞの攻めやワンツーのラッシュ、ディフェンスからの素早い攻撃動作への切り替えなど、非常にボクサーとしての能力値が高い。
常にプレッシャーをかけ、相手を休ませないリードジャブやヒットアンドアウェイにより、もらわずに攻撃を当て続けるオフェンスなど非常にテクニカルであり、負けないボクシングが得意な選手だ。
そして技術力にさらに上乗せしたスピードも彼の武器である。スキをついたラッシュやロープ際での素早いコンビネーションは試合の流れを一気に引き寄せるような非常に有効的な攻撃となる。
ディフェンス
間違いなく階級No.1のディフェンス能力を持っている。ライトヘビー級とは思えないほど繊細で、穴のないディフェンスを可能とする。
強固な両手ガードをベースとし、サイド・バックステップ、スウェー、ウィービングと多種多様でスピード・テクニックが非常に高い。
また、元々リードジャブが多い選手なのだが、このジャブによってディフェンステクニックがさらに強化されているように思える。上下に散らしたジャブやフェイントの動きによって相手を近づけさせない上手さがある。またヒットアンドアウェイのスピードや相手の攻撃に対する反応速度が異常に早く、相手の危険な攻撃への判断能力に長けている。
以上のようなビボルのディフェンスは、彼のボクシングの原点であり、この能力がズバ抜けているからこそ、彼は負けないのではないだろうか。
ライトヘビー級主要選手
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