寺地拳四朗選手の戦績と強さ分析【ボクサー紹介】

ボクサー強さ解説
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本記事では、日本ボクシング界を支えるスマイルアサシン・寺地拳四朗選手について、戦績やファイトスタイル、特徴など、寺地選手のその強さについて解説していきます。

よろしくお願いします。

寺地拳四朗プロフィール

名前寺地拳四朗
生年月日1992年1月6日
出身地京都府城陽市
身長165cm
リーチ163cm
タイプ右ボクサーファイター
階級ライトフライ級 (48.97キロ)
実績主要2団体統一(ライトフライ級)

2022年11月1日、当時WBA世界スーパー王者だった京口紘人とライトフライ級2団体王座統一戦をおこない、見事に7ラウンドTKOで勝利。WBAスーパー・WBCライトフライ級2団体統一王者となった。

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戦績

アマ戦績  74戦58勝(20KO)16敗
プロ戦績  23戦22勝(14KO)1敗
世界戦戦績 14戦13勝(9KO)1敗
※2023年9月18日時点

プロでの唯一の黒星はコロナ感染を経た直後に行われた、矢吹正道との防衛戦だった。

寺地のコンディションが良い状態ではなく、惜しくも敗戦となってしまった。バッティングの問題や瞼のカットなど不幸が重なってしまい非常に苦しい黒星となった。

しかし、その後に矢吹との再戦を行い、見事3回KO勝利でリベンジ成功。

このリベンジマッチから拳四朗選手はかなり強くなったのではないかと言われている

これまではヒットアンドアウェイの負けない・当てられないアウトボクシングをしていたが、この矢吹とのリベンジマッチをきっかけに、足をぐっと踏ん張りながら連打を打ち続けるアグレッシブなボクシングに成長したのではないだろうか。明らかにこの黒星からのリベンジマッチの期間に寺地のボクサーとしてのレベルが格段に上がったと感じる試合だった。

これ以降の試合では、2022年11月WBAスーパー王者の京口紘人と世界主要2団体王座統一戦を行い、終始試合を支配し5ラウンドTKO勝利、その後、2023年4月8日に行われたアンソニーオラスクアガ戦でも苦戦はしたが9ラウンドTKO勝利、2023年9月18日に行われた曲者のヘッキーブドラー戦でも9ラウンドTKO勝利という素晴らしい成績を記録し続けている。

現在、世界戦4試合連続KO勝利とまさに最強の記録を残している。

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ファイトスタイル・能力

ファイトスタイルとしては、ボクサーファイタータイプのオーソドックススタイルだ。オールラウンダーであり、技巧派でもあり、ハードなパンチを打つことができる本当に強いボクサーである。

オフェンス

近年の成長は計り知れない。パワー・オフェンステクニック・スタミナに関しては、トップレベルの能力を持っている。特に相手を休ませない手数の多いパワージャブに関しては、全軽量階級で№1に上手い選手だ。

矢吹正道とのリベンジマッチを行う前までは、上下にステップを踏みながらヒットアンドアウェイ型のアウトボクシングで戦う選手だった。しかし、初黒星をきっかけに寺地は、ボクサーとして脅威的なパワーファイターに変貌した。

相手と距離を取った状態からくりだす鋭いジャブ攻撃や接近戦からくりだす左ボディ打ちが非常に強い。更にそのパンチを的確にヒットさせることが可能で、命中率もかなり高い。また、豊富なスタミナを駆使し、1度攻撃が当たると、その後2度3度とコンビネーションをヒットさせ続ける追い込み力もある。

距離間による支配力

相手によってファイトスタイルを自在に変化させる。拳四朗は、非常に長短距離を処理するのが上手く、自分のボクシングの戦型に引き込み、相手を圧倒し、試合を支配するのが得意な選手である。特に近年は、長短どちらの処理能力も急激に向上しており、おそらく現ライトフライ級の中で、№1のスタミナとタフネスを持っている選手だ。

ディフェンス

拳四朗の手数の多さによって、ラウンドの序盤は試合を制することが多いのだが、その反面、ラウンドの中盤から終盤にかけては、その前にですぎる戦型から相手の攻撃を被弾してしまうシーンもよく見られるため、ディフェンス面に関してはやや弱みとなっている印象である。

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ボクシング動画紹介

ここで参考に、寺地拳四朗選手VS矢吹正道選手の試合をご紹介します。この2試合は、まさに寺地拳四朗選手を成長させるきっかけとなったターニングポイントとなる試合です。1試合目と2試合目の違いにぜひ注目してご覧ください。

2021年9月22日矢吹正道戦

試合序盤から寺地のアウトボクシングが目立ちます。リードジャブを良く出し、3ラウンド以降はその的中率は上がっていきます。しかし、寺地のジャブを恐れず、矢吹の捨て身の右のオーバーハンドが少しずつ当たり始めます。常に細かくステップを踏みながらヒットアンドアウェイを繰り返す寺地、そしてジャブを当てられながらもアグレッシブな攻撃を繰り返す矢吹。

4ラウンドオープンスコアでは、2-0で矢吹がポイントをリードしていました。当時無敗の寺地でしたが、得意のアウトボクシングやリードジャブが評価されず消極的に取られてしまったようです。

5ラウンドから両者の距離間が詰まりお互いに攻撃が当たりはじめます。寺地の焦りからかプレスが増えます。矢吹は相打ち覚悟で前に出てきます。

8ラウンド目、矢吹のオーバーハンドが何度もヒットします。8ラウンドまでのオープンスコアも3者とも矢吹優勢としました。

9ラウンド目、1分45秒矢吹のバッティングにより寺地が右目瞼をカットします。これは良くないのですが、不運としか言いようがありません。打ち合いはさらに過激になり、お互い殴り合いの攻撃が続きます。

運命の10ラウンド目、序盤から寺地はコンビネーションを打ち込み倒しにかかりますが、矢吹も攻撃に耐えながら、攻撃を打ち返します。ラウンド残り時間25秒から矢吹の右がヒット、そこから怒涛のラッシュ、寺地の動きが止まり、たまらずレフィリーストップ。

白熱の打撃戦を制したのは、矢吹でした。激しい打ち合いを制す素晴らしい試合でした。しかし、寺地は悔しかっただろうと思います。思わぬバッティングや相手のポイントリードに焦り、本当に苦しい敗戦となってしまいました。

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2022年3月19日矢吹正道戦

寺地は敗北から立ち上がりました。年間最高試合とされた1試合目でしたが、その翌年、すぐに復帰戦リベンジマッチを行いました。

コールされた時の寺地の表情は、明らかに1試合目の時と違い、自身とやる気に満ち溢れたような姿でした。

1ラウンド目、前回と同様、寺地のリードジャブが矢吹を捕らえます。しかし、ここで既に寺地のこれまでのボクシングの姿ではなくなっています。消極的なアウトボクシングはせず、ジャブからテンポを作り、積極的に前に出て右の攻撃を打ち出します。キレ、精度、積極性が増し、戦法がアグレッシブな攻撃型に明らかに変わっています。

2ラウンド目、寺地の手数が多く、矢吹は中々攻撃が打てません。多少の被弾は気にせず、前に出続け攻撃を打ち続けます。

3ラウンド目、リングの中央から矢吹を追いかけていき、攻撃を打ち込み続けます。

3ラウンド残り2分、右ストレートが矢吹を捕らえダウンを奪いました。矢吹は立ち上がりますが、もう既に多くのダメージを効かされており、そのたった1度のダウンで試合が終わりました。

長距離のアウトボクシングからアグレッシブなファイトスタイルへの進化したきっかけとなる2戦だったのではないでしょうか。ボクシングファンを魅了する本物の強いボクサーになったと感じさせてくれるようなナイスファイトでした。

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ここまでの内容を踏まえまして、寺地拳四朗選手は日本ボクシング界の歴史に名を残す最強ボクサーだと私は思います。

矢吹戦の敗北を経験しながらも、その経験から急激な成長をとげ、現ライトフライ級の中で最も強いボクサーだと私は確信しています。この選手なら、井上尚弥選手に次ぐ日本史上2人目の世界主要4団体王座統一を果たしてくれるのではないでしょうか。

皆さんもぜひ、今後の寺地拳四朗選手の活躍を応援していきましょう。

本記事は以上になります。
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

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