本記事では、世界最速記録プロ21戦目の4階級制覇王者・田中恒成選手について、戦績やファイトスタイル、特徴など、田中恒成のその強さについて解説していきます。
よろしくお願いします。
プロフィール
2024.2.24 in 両国国技館
— 田中恒成/KOsei Tanaka (@KOsei530) December 14, 2023
Prime Video Presents Live Boxing 7
WBO世界スーパーフライ級王座決定戦
vs クリスチャン・バカセグア(メキシコ)
21戦目
世界最速の四階級制覇を懸けて
3年ぶりの世界戦。
スタイルは変わっても
変わらない攻める気持ちで
倒して勝ちます。
Photo by Naoki Fukuda pic.twitter.com/ES7XtUJde6
名前 | 田中 恒成(たなか こうせい) |
生年月日 | 1995年6月15日 |
デビュー | 2013年11月10日 |
出身地 | 岐阜県多治見市 |
身長 | 164cm |
リーチ | 164cm |
タイプ | 右ボクサーファイター |
階級 | ミニマム級 (47.62キロ) ライトフライ級 (48.97キロ) フライ級 (50.80キロ) スーパーフライ級 (52.16キロ) |
実績 | 世界4階級制覇 (世界最速記録21戦で達成) |
田中恒成(たなかこうせい)選手は、1993年12月15日生まれの日本のプロボクサーである。愛知県名古屋市出身で、身長は162cm、リーチは162cmである。田中選手は、その卓越した才能とキャリアの早さから、ボクシング界でも注目の存在となっている。
田中選手は、幼少期から格闘技に親しんでおり、3歳の頃から空手を始めた。その後、小学5年生でボクシングをスタートし、驚異的なスピードでキャリアを積み上げていった。アマチュア時代からその才能を発揮し、高校時代には全国大会で4度の優勝を果たしている。プロデビューは2013年11月であり、そのデビュー戦から注目の選手となった。
戦績
アマ戦績 51戦46勝(13KO)5敗
プロ戦績 21戦20勝(11KO)1敗
世界戦戦績 11戦10勝(5KO)1敗
※2024年2月24日時点
田中恒成選手のプロ戦績は、21戦20勝(11KO)1敗である。この記録は、彼がいかに優れたボクサーであるかを物語っている。特に、プロ第5戦目でWBO世界ミニマム級王座を獲得した際の速さは、日本男子ボクシング史上最速の記録である。
その後、2016年の大晦日にはWBO世界ライトフライ級王座を獲得し、2階級制覇を達成した。また、2018年にはWBO世界フライ級王座を獲得し、プロ第12戦目で3階級制覇を達成するという驚異的なスピードでタイトルを奪取した。これにより、日本男子ボクシング史上最速の3階級制覇の記録を打ち立てた。
井岡一翔との激闘
2020年12月31日、大田区総合体育館で行われた試合で、田中恒成(畑中)はWBO世界スーパーフライ級1位として、元世界3階級制覇王者のプライドを胸に、世界最速16戦目での4階級制覇に挑んだ。しかし、対戦相手の井岡一翔は強敵だった。
試合序盤から互角の戦いを繰り広げたが、5回と6回に井岡にダウンを奪われる。8回には右ストレートからの左フックで膝を落とし、レフェリーが試合をストップ。田中は8回1分35秒でのTKO負けを喫し、夢の4階級制覇は果たせなかった。
この試合は日本ボクシング界の歴史に残る1戦となり、井岡はその後、リングマガジンのパウンド・フォー・パウンドランキングで10位にランクインした。
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4階級制覇達成
2024年2月24日、東京・両国国技館でWBOスーパーフライ級2位のクリスチャン・バカセグアとWBOスーパーフライ級王座決定戦を行い、12回3-0(116-111、117-110、119-108)の判定で勝利し、日本人で3人目となる世界4階級制覇を達成した。これは元世界6階級制覇のデ・ラ・ホーヤの24戦目を上回る史上最速の21戦目での達成であり、さらにWBO一団体のみでの4階級制覇も史上初となった。
試合実績
戦 | 日付 | 勝敗 | 結果 | 時間 | 対戦相手 | 国籍 | 備考 |
1 | 2013年11月10日 | 〇 | 6R | 判定3-0 | オスカー・レクナファ | インドネシア | プロデビュー戦 |
2 | 2014年3月16日 | 〇 | 8R | 判定3-0 | ロネル・フェレーラス | フィリピン | |
3 | 2014年7月20日 | 〇 | 1R 1:55 | KO | クリソン・オマヤオ | フィリピン | |
4 | 2014年10月30日 | 〇 | 10R 0:50 | TKO | 原隆二(大橋) | 日本 | OPBF東洋太平洋ミニマム級タイトルマッチ |
5 | 2015年5月30日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | フリアン・イェドラス | メキシコ | WBO世界ミニマム級王座決定戦 |
6 | 2015年12月31日 | 〇 | 6R 2:15 | KO | ビック・サルダール | フィリピン | WBO防衛1 |
7 | 2016年5月28日 | 〇 | 6R 2:23 | KO | レネ・パティラノ | フィリピン | |
8 | 2016年12月31日 | 〇 | 5R 1:52 | TKO | モイセス・フェンテス | メキシコ | WBO世界ライトフライ級王座決定戦 |
9 | 2017年5月20日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | アンヘル・アコスタ | プエルトリコ | WBO防衛1 |
10 | 2017年9月13日 | 〇 | 9R 1:27 | TKO | パランポン・CPフレッシュマート | タイ | WBO防衛2 |
11 | 2018年3月31日 | 〇 | 9R 2:26 | TKO | ロニー・バルドナド | フィリピン | |
12 | 2018年9月24日 | 〇 | 12R | 判定2-0 | 木村翔(青木) | 日本 | WBO世界フライ級タイトルマッチ |
13 | 2019年3月16日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | 田口良一(ワタナベ) | 日本 | WBO防衛1 |
14 | 2019年8月24日 | 〇 | 7R 2:49 | TKO | ジョナサン・ゴンサレス | プエルトリコ | WBO防衛2 |
15 | 2019年12月31日 | 〇 | 3R 2:29 | KO | ウラン・トロハツ | 中国 | WBO防衛3 |
16 | 2020年12月31日 | × | 8R 1:35 | TKO | 井岡一翔(Ambition) | 日本 | WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ |
17 | 2021年12月11日 | 〇 | 10R | 判定2-1 | 石田匠(井岡) | 日本 | |
18 | 2022年6月29日 | 〇 | 5R 2:52 | TKO | 橋詰将義(角海老宝石) | 日本 | WBOアジアパシフィックスーパーフライ級タイトルマッチ |
19 | 2022年12月11日 | 〇 | 10R | 判定3-0 | ヤンガ・シッキボ | 南アフリカ共和国 | |
20 | 2023年5月21日 | 〇 | 10R 2:43 | TKO | パブロ・カリージョ | コロンビア | |
21 | 2024年2月24日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | クリスチャン・バカセグア | メキシコ | WBO世界スーパーフライ級王座決定戦 |
田中選手の主な試合実績には、以下のものがある。
- 2015年5月:フリアン・イエドラスに勝利し、WBO世界ミニマム級王座を獲得。
- 2016年12月:モイセス・フェンテスに勝利し、WBO世界ライトフライ級王座を獲得。
- 2018年9月:木村翔選手に勝利し、WBO世界フライ級王座を獲得。
- 2024年2月:クリスチャン・バカセグアに勝利し、WBO世界スーパーフライ級タイトルを獲得。
ファイトスタイル・能力
田中恒成は、右オーソドックススタイルのボクサーファイタータイプだ。
手数の多さ、アグレッシブさ、攻撃のバリエーションの多さを武器とする連撃型ボクサーファイターである。無敗記録は、井岡に止められてしまったが、試合内容は好評だった。4階級制覇を成し遂げた今、次なる標的はIBF王者フェルナンド・マルティネスだ。その山を乗り越えれば、井岡一翔とのリマッチも現実味を帯びてくるだろう。今後の活躍にも非常に注目である。
オフェンス
左右のスピードのあるコンビネーションが非常に強力である。中でも左の上下への打ち分けが非常に良く、ハンドスピード・パワーともに有効的な攻撃である。
左ボディ、左フックなど左の攻撃からコンビネーションを組み立てる印象である。
細かくステップを踏みながら、相手の動きや隙に合わせて、次々に攻撃を打ち込んでいく。そういった手数の多さも田中恒成の強みの1つであるだろう。
アグレッシブさの感じられるオフェンスであり、ボクシングファンを熱狂させるような試合をおこなうため、観ていて非常に楽しめる選手である。
ディフェンス
ウィービング、ダッキング、バックステップを中心としてディフェンスをおこなう印象である。ステップバックの反応スピードが良く、中長距離間のディフェンスは非常に良い印象である。
しかし、インファイトのディフェンスに関しては、少し左手が下がってしまう時が見られるため、近距離での攻防では、やや被弾が増えてしまう印象である。井岡との試合でも、近距離が得意な井岡に距離を詰められ、何発もの左フックを当てられてしまった。
今は改善されているかもしれないため、インファイトのディフェンスに関しては、彼の対応を今後注目してみてほしい。
スーパーフライ級主要選手
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