ボクシング界において、いま最も注目を集める日本人選手の一人が平岡アンディである。連勝を続け、高いKO率を誇るサウスポースタイルのファイターとして、スーパーライト級戦線に新たな風を吹き込んでいる存在だ。長身とリーチを武器にした攻撃力、そしてインファイトでも強さを発揮できる柔軟さは、日本ボクシングの新たな可能性を示している。この記事では、平岡アンディのプロフィールや戦績、ファイトスタイルを徹底的に掘り下げ、その強さの秘密に迫っていく。さらに、彼が今後スーパーライト級の世界でどのように戦っていくのか、その未来像についても考察していく。
プロフィール
試合まで5日!楽しみに!#ボクシング#平岡アンディ pic.twitter.com/eOoADYCR1b
— Andy Justice Hiraoka 平岡 アンディ🇯🇵🇬🇭 (@andy_h888) December 21, 2023
リングネーム | 平岡 アンディ |
本名 | 平岡 アンディ ジャスティス(Andy Justice Hiraoka) |
生年月日 | 1996年8月8日 |
デビュー | 2013年12月3日 |
出身地 | 神奈川県横浜市 |
身長 | 182cm |
リーチ | 188cm |
タイプ | 左ボクサーファイター |
階級 | ライト級 (61.23キロ) スーパーライト級 (63.50キロ) |
平岡アンディは、大橋ボクシングジム所属の期待のボクサーである。身長は約180cmを超え、リーチは188cmというスーパーライト級としては破格の長さを誇る。スタイルはサウスポーであり、構えから繰り出される左ストレートは破壊力抜群で、これまで多くの対戦相手をリングに沈めてきた。ファイタータイプの要素もありボクサーとしての冷静さを兼ね備えており、距離を支配する戦い方が得意だ。
日本のボクシング界ではまだ知名度が爆発的に広がっているわけではないが、連勝記録と高いKO率という数字はすでに世界でも通用する可能性を示している。彼のキャリアはまだ発展途上であるが、その将来性は非常に大きい。
戦績
プロ戦績 24戦24勝(19KO)無敗
※2024年9月3日時点
試合実績
戦 | 日付 | 勝敗 | 時間 | 内容 | 対戦相手 | 国籍 | 備考 |
1 | 2013年12月3日 | 〇 | 4R 1:07 | TKO | 工藤克比古(ドリーム) | 日本 | プロデビュー戦 |
2 | 2014年1月10日 | 〇 | 4R | 判定3-0 | 橋口芳邦(白井・具志堅スポーツ) | 日本 | |
3 | 2014年4月4日 | 〇 | 3R 2:15 | TKO | 中田侑(レパード玉熊) | 日本 | 2014年東日本ライト級新人王予選 |
4 | 2014年6月20日 | 〇 | 4R | 判定3-0 | 髙橋善仁(セレス) | 日本 | 2014年東日本ライト級新人王予選 |
5 | 2014年9月25日 | 〇 | 4R 2:25 | TKO | 関根翔馬(ワタナベ) | 日本 | 2014年東日本ライト級新人王予選 |
6 | 2014年11月2日 | 〇 | 5R | 判定3-0 | 中村槙太郎(角海老宝石) | 日本 | 2014年東日本ライト級新人王決勝 |
7 | 2016年10月3日 | 〇 | 3R 2:54 | TKO | ルークタム・N&Pボクシングジム | タイ | |
8 | 2016年12月30日 | 〇 | 1R 1:44 | KO | ナティー・ヨンラクサ | タイ | |
9 | 2017年5月21日 | 〇 | 6R 1:39 | TKO | 山口祥吾(唯心) | 日本 | |
10 | 2017年8月23日 | 〇 | 3R 0:46 | TKO | 吉開右京(島袋) | 日本 | 初代日本スーパーライト級ユース王座決定トーナメント準決勝 |
11 | 2017年11月11日 | 〇 | 5R 1:50 | TKO | 小林孝彦(TEAM10COUNT) | 日本 | 日本スーパーライト級ユース王座決定トーナメント決勝戦 |
12 | 2018年2月28日 | 〇 | 8R | 判定3-0 | 木村文祐(JM加古川) | 日本 | |
13 | 2018年9月11日 | 〇 | 3R 2:02 | TKO | 吉開右京(島袋) | 日本 | 日本ユース王座防衛1 |
14 | 2019年7月12日 | 〇 | 10R | 判定3-0 | 近藤明広(一力) | 日本 | |
15 | 2019年11月30日 | 〇 | 2R 2:15 | KO | ロヘリオ・カサレス | アメリカ合衆国 | |
16 | 2020年11月1日 | 〇 | 4R 2:20 | TKO | リッキー・エドワーズ | アメリカ合衆国 | |
17 | 2021年3月11日 | 〇 | 3R 2:15 | TKO | 木村文祐(JM加古川) | 日本 | |
18 | 2021年10月19日 | 〇 | 11R 1:58 | TKO | 佐々木尽(八王子中屋) | 日本 | WBOアジアパシフィック・日本スーパーライト級王座決定戦 |
19 | 2022年2月28日 | 〇 | 10R 2:16 | TKO | アオキ・クリスチャーノ(角海老宝石) | ブラジル | WBOアジアパシフィック防衛1・日本王座防衛1 |
20 | 2022年6月7日 | 〇 | 6R 1:24 | TKO | 赤岩俊(マナベ) | 日本 | WBOアジアパシフィック防衛2・日本王座防衛2 |
21 | 2022年9月13日 | 〇 | 2R 2:27 | TKO | アルビン・ラグンべイ | フィリピン | WBOアジアパシフィック防衛3 |
22 | 2022年12月13日 | 〇 | 8R 2:06 | TKO | 誼敏虎 | 韓国 | WBOアジアパシフィック防衛4 |
23 | 2023年12月26日 | 〇 | 5R 1:07 | TKO | セバスチャン・ディアス | メキシコ | |
24 | 2024年9月3日 | 〇 | 9R 2:58 | TKO | イスマエル・バロッゾ | ベネズエラ | WBA世界スーパーライト級挑戦者決定戦 |
ファイトスタイル・能力
平岡アンディのファイトスタイルは、典型的なボクサーファイタータイプである。サウスポーの構えから繰り出される攻撃は多彩で、長いリーチを活かした中距離戦だけでなく、意外なほどインファイトでも強さを発揮できるのが特徴だ。攻防の切り替えがスムーズで、相手にとっては攻略の糸口を見つけにくい。リーチを活かして距離を支配するかと思えば、瞬時に前へ踏み込みアッパーを叩き込む。こうした柔軟な戦い方が、彼を特別な存在にしている。
オフェンス
攻撃面では、まず左ストレートの破壊力が際立っている。サウスポー特有の角度から放たれるこの一撃は、相手のガードをすり抜け、大きなダメージを与える。さらに、右フックも強力であり、連携させることで相手を一気に追い詰めることができる。加えて、彼の大きな特徴として、近距離でのアッパーやフック攻撃がある。リーチの長い選手にとってはインファイトが弱点になることが多いが、平岡はその常識を覆している。相手との距離を絶妙に調整し、狭いスペースの中で鋭いアッパーを打ち込むことができるのだ。これはまさに彼のセンスの表れである。
また、中長距離戦でも力を発揮する。右手でフェイントを入れつつタイミングを測り、そこから左ストレートを打ち込む戦法は非常に効果的であり、対戦相手にとっては防御が難しい。攻撃の組み立てに多様性があり、読まれにくい点も彼の強さである。
ディフェンス
ディフェンスにおいては、バックステップ、スウェー、ダッキングを駆使する。相手の攻撃に対して大きな動きで回避するスタイルであり、両手ガードを固めるタイプではない。これにより、動きにキレが出て攻防の切り替えがスムーズになるが、一方でガード力不足を指摘される場面もある。世界の強豪と比較した場合、ディフェンスの精度は改善の余地があるだろう。特に、ウィービングや両手ガードを強化すれば、より隙のないファイターへと進化できるはずである。
懸念点
平岡アンディの懸念点としては、まず無敗で高いKO率を誇る一方で、まだ世界的に名のある強豪との試合が少なくビッグマッチでの経験値が不足している点が挙げられる。また、防御面では両手ガードを固めるのではなく大きなステップやスウェー、ダッキングを主体とするため、相手の鋭い連打に対して被弾リスクが高いのは否めず、細かいウィービングやブロッキングといったディフェンス技術の完成度はまだ発展途上である。
特にスーパーライト級という階級は、デビン・ヘイニーやテオフィモ・ロペス、ジョシュ・テイラー、レジス・プログレイスといった強豪アメリカ勢を中心に世界でも層が極めて厚い階級であり、わずかな被弾すら致命傷となるのが常識とされている。
実際にヘイニーやロペスはリスクを最小限に抑えるスタイルを徹底し、試合全体を支配する完成度の高さを誇る。そうした完成された選手たちと比べると、平岡はまだ防御技術や試合運びの安定感において課題が残る。攻撃力はすでに世界レベルに到達しているが、これらの懸念を克服しなければ、スーパーライト級という激戦区で世界王者の座に手が届くことは難しいだろう。
試合の注目ポイント
左ストレートの破壊力
サウスポーから放たれる左ストレートは彼の最大の武器であり、一発で試合を決める力がある。試合のどのタイミングで炸裂するのかが常に注目される。
インファイトでのアッパー
リーチが長い選手では珍しく、近距離でのアッパーやフックが非常に強い。インサイドでの強さは相手にとって大きな驚異となる。
中距離でのリズムコントロール
右手でフェイントを入れつつ、間合いを完全にコントロールして戦うスタイルは見どころである。相手のリズムを奪い、自分のペースで試合を展開できるかどうかがカギとなる。
ディフェンスの柔軟さ
ガードを固めるのではなく、ステップやスウェーでかわすスタイルが平岡の個性である。攻撃への切り替えが早い分、被弾リスクもあるため、このバランスが試合の大きなポイントになる。
世界戦への成長度
まだ世界的なビッグネームとの試合経験は少ない。今後強豪相手にどのように戦い抜くか、そして自身のスタイルを貫けるかが最大の注目点である。
まとめ
平岡アンディは、スーパーライト級の中で日本の期待の星である。高いKO率、左ストレートの破壊力、インファイトでも力を発揮できる柔軟さは、世界王者を狙えるだけの資質を十分に持っている。しかし、現時点での課題はやはりディフェンスの精度と経験値である。スーパーライト級にはデビン・ヘイニー、テオフィモ・ロペス、ジョシュ・テイラー、レジス・プログレイスといった錚々たる強豪が並ぶ。彼らと肩を並べ、勝ち抜くためにはさらなる進化が求められる。
日本ボクシング界の未来を担う存在として、平岡アンディが今後どのようにキャリアを積み重ね、世界王者への道を切り開いていくのか。彼の成長と挑戦から目が離せない。
スーパーライト級主要選手
関連記事はコチラ↓
本記事は、以上になります。本サイトでは、他にも格闘技に関する記事をたくさんアップしています。少しでも興味をお持ちの方は、ぜひ他の記事もご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。