本記事では、技巧派ボクシングの天才ワシル・ロマチェンコ選手について、戦績やファイトスタイル、特徴など、ロマチェンコのその強さについて解説していきます。
よろしくお願いします。
プロフィール
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— Ray Jackson (@RayJack97010720) May 23, 2023
名前 | ワシル・ロマチェンコ |
生年月日 | 1988年2月17日 |
出身地 | ドニストロフスキー(ウクライナ) |
身長 | 170cm |
リーチ | 166cm |
タイプ | 左ボクサーファイター |
階級 | フェザー級 (57.15キロ) スーパーフェザー級 (58.97キロ) ライト級 (61.23キロ) |
実績 | 世界3階級制覇 主要3団体統一(ライト級) |
現在はIBF世界ライト級王者だ。
かつては元WBO世界フェザー級王者、元WBO世界スーパーフェザー級王者、元WBAスーパー・WBC・WBO世界ライト級3団体統一王者という華々しい成績を残している選手だ。
戦績
アマ戦績 398戦396勝1敗1分
プロ戦績 21戦18勝(12KO)3敗
世界戦戦績 17戦14勝(10KO)3敗
※2024年5月12日時点
アマチュアでも輝かしい成績を誇り、北京オリンピックはフェザー級、ロンドンオリンピックはライト級で金メダルを獲得し、オリンピック2連覇を果たした。アマチュア時代の戦績は396勝1敗と2007年の世界選手権の決勝で一度敗戦して以降、全勝記録を残している。アマチュア時代からここまで黒星がない選手は相当珍しい逸材である。
プロ転向後もその活躍は続き、世界最速で3階級制覇を果たし、ボクシング界は彼の時代になると期待されていたが、2020年10月18日テオフィモロペスとの4団体統一戦にてまさかの敗北を喫し、ロマチェンコの勢いに赤信号が灯った。
さらに自国の問題が原因で試合間のブランクが多くあったため、近年では全盛期よりも少し衰えを感じるボクシングになってしまっている。
10ヶ月ぶりの復帰戦ジャメイン・オルティス戦では、判定勝ちとはなったが、全盛期ほどのステップワークやオフェンス面の良さはあまり感じられず、苦しい戦いとなっていた。
最近では右肩を痛めるなどの怪我もみられ、心配な点が多くある。
だが、かつてのボクシング最前線を走っていた姿は、いつか帰ってくると期待しているファンは多い。年齢は決して若くないが、あくまで今は調整期間なので、試合を重ねていけば感覚は戻ってくるのではないだろうか。
試合実績
戦 | 日付 | 勝敗 | 時間 | 内容 | 対戦相手 | 国籍 | 備考 |
1 | 2013年10月12日 | 〇 | 4R 2:59 | KO | ホセ・ラミレス | メキシコ | プロデビュー戦 |
2 | 2014年3月1日 | × | 12R | 判定1-2 | オルランド・サリド | メキシコ | WBO世界フェザー級タイトルマッチ |
3 | 2014年6月21日 | 〇 | 12R | 判定2-0 | ゲーリー・ラッセル・ジュニア | アメリカ合衆国 | WBO世界フェザー級王座決定戦 |
4 | 2014年11月22日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | チョンラターン・ピリヤピンヨー | タイ | WBO防衛1 |
5 | 2015年5月2日 | 〇 | 9R 0:50 | KO | ガマリエル・ロドリゲス | プエルトリコ | WBO防衛2 |
6 | 2015年11月7日 | 〇 | 10R 2:35 | KO | ロムロ・コアシチャ | メキシコ | WBO防衛3 |
7 | 2016年6月11日 | 〇 | 5R 1:09 | KO | ローマン・マルチネス | プエルトリコ | WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ |
8 | 2016年11月26日 | 〇 | 7R 終了 | TKO | ニコラス・ウォータース | ジャマイカ | WBO防衛1 |
9 | 2017年4月8日 | 〇 | 9R 終了 | TKO | ジェイソン・ソーサ | アメリカ合衆国 | WBO防衛2 |
10 | 2017年8月5日 | 〇 | 7R 終了 | TKO | ミゲル・マリアガ | コロンビア | WBO防衛3 |
11 | 2017年12月9日 | 〇 | 6R 終了 | TKO | ギレルモ・リゴンドウ | キューバ | WBO防衛4 |
12 | 2018年5月12日 | 〇 | 10R 2:08 | TKO | ホルヘ・リナレス(帝拳) | ベネズエラ | WBA世界ライト級スーパー王座決定戦 |
13 | 2018年12月8日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | ホセ・ペドラザ | プエルトリコ | WBA・WBO世界ライト級王座統一戦 WBA防衛1・WBO獲得 |
14 | 2019年4月12日 | 〇 | 4R 0:58 | KO | アンソニー・クローラ | イギリス | WBA防衛2・WBO防衛1 |
15 | 2019年8月31日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | ルーク・キャンベル | イギリス | WBC世界ライト級王座決定戦 WBA防衛3・WBC獲得・WBO防衛2 |
16 | 2020年10月18日 | × | 12R | 判定0-3 | テオフィモ・ロペス | アメリカ合衆国 | WBA・IBF・WBO世界ライト級王座統一戦 WBA・WBO王座陥落 |
17 | 2021年6月27日 | 〇 | 9R 1:48 | TKO | 中谷正義(帝拳) | 日本 | |
18 | 2021年12月12日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | リチャード・カミー | ガーナ | WBOインターコンチネンタルライト級王座決定戦 |
19 | 2022年10月29日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | ジャメイン・オルティス | アメリカ合衆国 | |
20 | 2023年5月20日 | × | 12R | 判定0-3 | デヴィン・ヘイニー | アメリカ合衆国 | WBA・WBC・IBF・WBO世界ライト級タイトルマッチ |
21 | 2024年5月12日 | 〇 | 11R 2:49 | TKO | ジョージ・カンボソス・ジュニア | オーストラリア | IBF世界ライト級王座決定戦 IBF王座獲得 |
試合結果の記事コチラ↓
ワシル・ロマチェンコ VS ジョージ・カンボソスJr.
ファイトスタイル
ロマチェンコはボクサーファイターのサウスポースタイルだ。
ボクシング界のハイテクマシーンと言わた逸材、その技術力の高さはトップレベルだ。
相手の視界から消えてしまう程の左右への大きなステップワークからフック、ストレート、アッパーなど四方八方から攻撃を打つことができる非常にテクニシャンな選手。
インファイトでは、至近距離からも瞬時にスペースを作り、イレギュラーな角度の攻撃を打つことがでる。さらに彼のディフェンスの強みとしては、とにかくパンチをもらわないことである。
スウェー、ブロック、ダッキング、ガードとどれも一級品。
数ラウンド重ね相手の動きを見切るようになると、攻撃を全て交し、逆に自分の攻撃は高い命中率でヒットするようになっていく。
そんなことを可能にしてしまうのがロマチェンコのボクシングだ。
ロマチェンコに支配された相手は八方塞がりになるだろう。自分の攻撃は当たらないのに、ロマチェンコの攻撃は全て当たってしまうため、相手は戦意喪失し棄権する選手すらいるほどだ。(海外では、相手が棄権することをロマチェンコ勝ちと言われていたそうだ。)
今は、全盛期よりも少しキレは無くなったが、また調整し試合を重ねていけば、またあの最強のロマチェンコの姿を観れると期待している。
ライト級主要選手
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本記事は以上になります。ロマチェンコ選手のいるライト級は、大物選手がゴロゴロいる激戦階級ですので、今後のライト級戦線の動向にぜひ注目してみてください。最後までご覧いただきありがとうございました。