皆さんこんにちは。今回はボクシング界における注目選手、テレンス・ジョン・ドヘニー(TJドヘニー)について詳しく紹介する。スーパーバンタム級で活躍する彼は、近年のボクシングシーンで確実にその存在感を示している選手だ。2024年9月3日には、井上尚弥選手とのWBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦が行われることが決定している。この一戦はボクシング界全体が注目する一戦であり、ドヘニーの実力を再び世界に示す機会となる。
本記事では、ドヘニーの戦績やファイトスタイル、そして主な試合実績まで、ドヘニーの全貌を徹底解剖していく。ボクシングファンなら見逃せない内容となっているので、ぜひ最後までご覧いただきたい。
プロフィール
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— Izquierdazo Boxeo (@IzquierdazoBox) July 18, 2024
🥊 Naoya Inoue defenderá sus cinturones súper gallo ante el irlandés TJ Doheny el próximo 3 de septiembre en Japón.#InoueDoheny pic.twitter.com/r33PvctYoS
名前 | テレンス・ジョン・ドヘニー |
生年月日 | 1986年11月2日 |
デビュー | 2012年4月27日 |
出身地 | アイルランド |
身長 | 166cm |
リーチ | 173cm |
タイプ | 左ボクサーファイター |
階級 | スーパーバンタム級 (55.34キロ) |
実績 | 元IBF世界Sバンタム級王者 WBOアジアパシフィックSバンタム級王者 |
テレンス・ジョン・ドヘニー(Terrence John Doheny、1986年11月2日生まれ)は、アイルランドのポート・レーイシュ出身のプロボクサーである。彼は7歳のときにボクシングを始め、アマチュア時代には200戦のキャリアを積んだ。21歳でアイルランドからオーストラリアに渡り、プロに転向した。現在、オーストラリアのニューサウスウェールズ州に在住し、元IBF世界スーパーバンタム級王者、そしてWBOアジアパシフィックスーパーバンタム級王者としても活躍している。
戦績
アマ戦績 200戦以上
プロ戦績 30戦26勝(20KO)4敗
世界戦戦績 4戦2勝(1KO)2敗
※2024年5月6日時点
テレンス・ジョン・ドヘニーのプロ戦績は、30戦26勝20KO4敗だ。彼は元世界スーパーバンタム級チャンピオンであり、その実力はプロボクシング界でも高く評価されている。彼のキャリアは、スーパーバンタム級でのタイトル獲得を含む数々の成果に彩られており、特にそのKO率は見逃せない数字を記録している。
プロデビューは2012年4月、ハーストヴィルで行われた。その後、彼は数々の試合で勝利を収め、2013年8月にはPABAスーパーバンタム級王座を獲得した。さらに、2018年8月16日には、後楽園ホールで行われた試合で岩佐亮佑を12回3-0の判定で破り、IBF世界スーパーバンタム級王座を獲得した。その後、2023年6月29日には中嶋一輝を破り、WBOアジアパシフィックスーパーバンタム級王座を獲得した。彼の戦績は、多くの強敵との対戦を通じて築かれたものである。
試合実績
戦 | 日付 | 勝敗 | 時間 | 内容 | 対戦相手 | 国籍 | 備考 |
1 | 2012年4月27日 | 〇 | 1R 1:27 | TKO | ピチット・シスクルーウィン | タイ | プロデビュー戦 |
2 | 2012年6月22日 | 〇 | 1R 0:31 | TKO | クリス・ポッター | ニュージーランド | |
3 | 2012年9月14日 | 〇 | 6R | 判定3-0 | ロベルト・オヤン | フィリピン | |
4 | 2013年2月22日 | 〇 | 3R 1:30 | TKO | アヌソーン・チャイスラ | タイ | |
5 | 2013年8月17日 | 〇 | 9R 2:59 | KO | ジェームズ・モコギンタ | インドネシア | PABAパンアジアスーパーバンタム級王座決定戦 |
6 | 2013年12月13日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | ディアネバー・オルカレス | オーストラリア | PABAパンアジア防衛1 |
7 | 2014年3月15日 | 〇 | 3R 2:25 | TKO | ソムプラソン・チュエンチャナ | タイ | PABAパンアジア防衛2 |
8 | 2014年9月19日 | 〇 | 9R 1:00 | TKO | ローマン・カント | フィリピン | PABAパンアジア防衛3 |
9 | 2014年11月15日 | 〇 | 3R 終了 | TKO | エギ・ローゼン | インドネシア | |
10 | 2015年2月20日 | 〇 | 8R | 判定3-0 | フム・クンマット | タイ | |
11 | 2015年5月15日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | マルコ・デメシリオ | フィリピン | PABAパンアジア防衛4 |
12 | 2015年7月4日 | 〇 | 1R 1:25 | TKO | モンコンチャイ・ルックマンカンチャ | タイ | |
13 | 2015年10月3日 | 〇 | 5R 2:18 | TKO | デンカオセーン・カオウィチット | タイ | PABAパンアジア防衛5 |
14 | 2015年12月12日 | 〇 | 2R 0:30 | KO | ノルディ・マナカネ | インドネシア | |
15 | 2016年3月19日 | 〇 | 5R 1:40 | TKO | ヘラルド・マリン・エルナンデス | メキシコ | PABAパンアジア防衛6 |
16 | 2016年10月15日 | 〇 | 2R 1:58 | TKO | エメスト・ゲレーロ | メキシコ | |
17 | 2017年6月2日 | 〇 | 1R 2:15 | TKO | エスピノス・サブ | インドネシア | |
18 | 2017年12月20日 | 〇 | 12R | 判定2-1 | マイク・タワッチャイ | タイ | |
19 | 2018年3月17日 | 〇 | 2R 2:18 | TKO | マイク・オリバー | アメリカ合衆国 | |
20 | 2018年8月16日 | 〇 | 12R | 判定3-0 | 岩佐亮佑(セレス) | 日本 | IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ |
21 | 2019年1月18日 | 〇 | 11R 2:18 | TKO | 高橋竜平(横浜光) | 日本 | IBF防衛1 |
22 | 2019年4月26日 | × | 12R | 判定0-2 | ダニエル・ローマン | アメリカ合衆国 | WBA・IBF世界スーパーバンタム級王座統一戦 IBF陥落 |
23 | 2019年10月12日 | 〇 | 5R 終了 | TKO | ヘスス・マルティネス | コロンビア | |
24 | 2020年3月6日 | × | 8R | 判定0-3 | イオヌット・バルタ | ルーマニア | |
25 | 2021年8月6日 | × | 12R | 判定0-3 | マイケル・コンラン | アイルランド | WBA世界フェザー級暫定王座決定戦 |
26 | 2022年3月19日 | 〇 | 2R 2:23 | TKO | セサール・フアレス | メキシコ | |
27 | 2023年3月12日 | × | 10R | 判定0-3 | サム・グッドマン | オーストラリア | IBFインターコンチネンタル・WBOオリエンタルスーパーバンタム級タイトルマッチ |
28 | 2023年6月29日 | 〇 | 4R 2:32 | TKO | 中嶋一輝(大橋) | 日本 | WBOアジア太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ |
29 | 2023年10月31日 | 〇 | 1R 2:28 | TKO | ジャフェスリー・ラミド | アメリカ合衆国 | WBOアジア太平洋防衛1 |
30 | 2024年5月6日 | 〇 | 4R 2:51 | TKO | ブリル・バヨゴス | フィリピン | |
31 | 2024年9月3日 | – | 試合前 | – | 井上尚弥(大橋) | 日本 | WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦 |
TJ・ドヘニーのキャリアの中で特に注目すべき試合をいくつか紹介する。まず、2013年8月のPABAスーパーバンタム級王座獲得試合である。この試合では、元世界二階級王者のデンカオセーン・カオウィチットにTKO勝ちを収めた。
2018年8月16日に行われたIBF世界スーパーバンタム級王座獲得試合では、後楽園ホールで岩佐亮佑と対戦し、12回3-0の判定で勝利を収めた。彼の持ち味であるアウトボクシングを駆使し、サウスポーの岩佐の動きを封じた見事な試合であった。
2019年1月18日には、ニューヨークのフールー・シアターでIBF世界スーパーバンタム級10位の高橋竜平と対戦し、11回2分18秒TKO勝ちを収め、初防衛に成功した。
2023年6月29日には、後楽園ホールで中嶋一輝と対戦し、4回2分32秒TKO勝ちでWBOアジアパシフィックスーパーバンタム級王座を獲得した。
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ファイトスタイル・能力
テレンス・ジョン・ドヘニーのボクシングスタイルはサウスポースタンスを基本とし、その左の強打が主力の武器である。試合ごとに戦術を調整し、相手に合わせた戦い方を展開する柔軟性も兼ね備えている。彼の試合では、積極的に前進しダイナミックな攻撃を繰り出しつつ、巧みな防御で相手の攻撃を回避する姿が特徴的だ。
ドヘニーのファイトスタイルは非常にバランスが取れており、前述でも述べた通り多様な戦術を駆使できる点が魅力である。アウトボクシングとインファイトの両方に対応でき、どんな戦い方でも自分のペースに持ち込む力を持つ。特に、その体格とフィジカルの強さはスーパーバンタム級で際立っており、相手に対して圧倒的なパワーを発揮する。
また、彼は試合中に巧みに腰を低く落として相手を誘い込み、ガードを下げさせるうまさがある。この動作により相手に隙を生じさせ、そこからの上の攻撃を効果的に狙うことができる。こうした動きや戦術は、相手の意識を操作し、有利な展開を作り出すための重要な要素である。
オフェンス
高い攻撃力
テレンス・ジョン・ドヘニーの攻撃スタイルは、左のパンチを中心に構築されており、その破壊力はまさに脅威だ。特に、彼の左フックとストレートは極めて正確で、これまで数々のKO劇を演出してきた。サウスポー特有の鋭い角度から放たれるパンチは、相手にとって一瞬の油断も許されない危険な一撃であり、一発で試合の決着をつけることができる。短い距離での打ち合いにおいても、ドヘニーは距離を詰め続け、相手を圧倒するかのように攻め立てる。その執拗なプレッシャーは、一瞬でも緩めれば命取りとなる。
多彩かつ鋭いボディ攻撃
ドヘニーの攻撃は多彩かつ緻密で、特にボディへの狙いが鋭い。低い体勢から繰り出されるボディストレートやボディジャブは、彼の得意技であり、その後の右フックとのコンビネーションは相手を確実に追い詰める。彼は相手の意識がボディに向いた瞬間を逃さず、そこから一気に上への攻撃を展開し、深刻なダメージを蓄積させる。この戦法は、並みの選手だけでなく、世界のトップクラスにも効果を発揮し、一瞬の隙を見逃さない冷徹さが光る。
戦略的なパンチ軌道と罠
ドヘニーは、ただ力任せにパンチを放つのではなく、緻密に計算された軌道で相手を翻弄する。特に、下から上へと飛び出すフック系のパンチは、相手のガードを崩すために設計されたものだ。彼のパンチは必ずお腹の前を通り、相手が手を下げた瞬間を見計らって、一撃を打ち込む。この巧妙な戦術は、反射神経や戦術眼に優れた選手でさえ対応が難しいほどで、試合の中で相手の意識を巧みに操作しながら、決定的な一撃を狙う。ドヘニーの戦いぶりは、常に相手を罠に誘い込みながら、自らの攻撃を最大限に生かす冷徹な計画のもとに進行している。
ディフェンス
サウスポースタンスの利点
テレンス・ジョン・ドヘニーの防御スタイルは非常に洗練されており、サウスポースタンスの利点を最大限に活かしている。特に、相手の右手からの攻撃を封じる動きは効果的で、その滑らかなステップワークとスリッピング技術で相手のパンチを巧みにかわす。彼は相手の動きを読む力に長けており、瞬時に反応して適切なカウンターを打ち込む。ドヘニーは、自身の豊富な経験と体格を活かし、防御から攻撃へとスムーズに移行する能力を持っている。
L字ガードを駆使した防御戦術
ドヘニーの防御の核となっているのは、L字ガード(フィリーシェル)を用いた独自のスタイルである。このガードは、彼がサウスポーであることを活かし、右側からの攻撃を効果的に防ぐためのものだ。L字ガードを使うことで、相手の攻撃をシャットアウトするだけでなく、素早くボディジャブを打ち返す余地を作り出す。また、ドヘニーは試合中に重心を低く保ち、相手に攻撃を誘発させることで、相手が手を下げた瞬間を狙って反撃に転じる。彼の防御は単なる守りにとどまらず、巧妙に組み立てられたカウンターの起点となっている。
反応の速さとタイミングの妙
ドヘニーの防御の特徴は、その卓越した反応速度とタイミングの良さにある。相手のパンチに対して瞬時に反応し、スリッピングやカウンターを駆使してダメージを最小限に抑える。その上で、相手が動いた瞬間を見逃さず、的確に攻撃を返す。この防御スタイルが、彼を難攻不落な選手にしており、相手にとっては常にプレッシャーを感じさせる要因となっている。ドヘニーの防御は、攻防一体となった高度な戦術に裏打ちされている。
井上尚弥戦のみどころ
井上尚弥とテレンス・ジョン・ドヘニーの対戦が決まり、ボクシング界の期待が高まっている。この一戦では、ドヘニーの強力な打撃とフィジカルが井上選手にどのような影響を与えるのか、注目ポイントをいくつか挙げてみよう。試合がどのような展開になるかを予測するための鍵となる要素を詳しく見ていく。
フィジカルの差
ドヘニーのフィジカルはスーパーバンタム級で際立っており、特に体重を試合当日に戻す量が井上選手とは大きく異なる。井上選手は試合当日に約5〜6キロ体重を戻すのに対し、ドヘニーは12キロ以上戻すとされている。この体重差は実質的に3階級分に相当し、ドヘニーのフィジカルが試合にどのような影響を及ぼすのかが大きな注目点だ。体重差によるパワーの違いが井上選手にどのように作用するのかは、試合の行方を大きく左右するだろう。
ドヘニーのボディ攻撃
ドヘニーの攻撃スタイルには、ボディストレートやボディジャブを駆使したコンビネーションが含まれる。彼はこれらを用いて、下から上への攻撃を巧みに織り交ぜてくる。特に、低い体勢から放たれるボディストレートに続く右フックは、井上選手にとって厄介な攻撃となる可能性が高い。井上選手が下に意識を向けた瞬間に、ドヘニーが上からのフックを仕掛けることで、大きなダメージを与えるかもしれない。
フットワークとリングの使い方
井上尚弥の試合は、スピードとフットワークを駆使して相手にプレッシャーをかけるスタイルが特徴である。彼のフットワークは非常に軽快で、相手をコーナーに追い込んでからの攻撃が得意である。一方、ドヘニーもフットワークを重視するファイターであり、リングの中央でのポジショニングや距離の取り方が得意である。
このため、井上尚弥の圧力に対してドヘニーがどれだけ効率的にフットワークを使いこなせるかが試合の重要なポイントとなる。ドヘニーがリングの中央を維持し、井上を上手くコントロールできるかどうかが試合の行方を左右するだろう。
ドヘニーのフィリーシェル
ドヘニーはL字ガード(フィリーシェル)を用いることが多く、特にサウスポーとして右側からの攻撃を防ぐ能力に長けている。これにより、井上選手の攻撃がどのように変わるのかも注目ポイントである。L字ガードの使用により、ドヘニーがどのように自分の防御を強化するのかが見どころだ。
終盤の展開
試合の終盤での展開も重要な注目ポイントである。井上尚弥は試合が進むにつれてスタミナとパワーが増す傾向があり、終盤のラウンドでの強烈な攻撃が得意である。一方、ドヘニーは試合の初めから終わりまで一定のクオリティを保ち、長いラウンドを戦う能力がある。
試合が終盤に差し掛かるにつれて、井上尚弥がそのパワーを活かして一気に試合を決める可能性がある一方、ドヘニーが持ちこたえ、試合の終わりまで耐えられるかがカギとなる。ドヘニーが井上の強烈な攻撃をどれだけしのぎ、どのように逆転のチャンスを掴むかが試合の決定的な要素となるだろう。
メンタルと試合の流れ
メンタル面も試合の結果に大きな影響を与える要素である。井上尚弥は試合に対する集中力と自信が高く、試合の流れを掌握する力が強い。ドヘニーもメンタルの強さを持つ選手であるが、井上尚弥のプレッシャーに対してどのように対応するかが試合の結果に大きな影響を与えるだろう。
試合の流れをつかむためには、両者のメンタルの強さが試合にどう影響を及ぼすかが重要である。井上尚弥の攻撃に対してドヘニーが冷静に対応し、自分のペースを維持できるかが試合の勝敗を決定づける要因となるだろう。
井上の失態と戦術の修正
井上選手はその反応速度とファイトIQで知られているが、過去の試合では下からの攻撃に対する修正がうまくいっていない場面があった。
ルイスネリ戦の初ダウン
ルイスネリとの試合では、井上尚弥がダウンを喫する結果となった。ネリはボディ攻撃と見せかけて、上のフックを繰り出すことで井上の防御を突破した。この試合では、井上がボディ攻撃に意識を集中させたため、ネリのフックが見えずに当たり、井上はダウンを喫することになった。この場面は、井上の近距離での反応にミスが生じ、下からの攻撃に対する防御に穴があったことを証明してしまった。
このシーンは世界に衝撃を与え、世界中の格闘技界の間でも話題となった。当然のようにドヘニーがその点を狙ってくると予想される。試合に向けて、井上選手は下からの攻撃に対する防御を強化する必要がある。これができれば、試合中に相手の巧妙な攻撃にも効果的に対応できるだろう。ドヘニー戦において、井上選手がこの修正をどのように行うかが、今後の試合の成否を大きく左右することになるだろう。
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