ビクトル・サンティリャン選手の戦績と強さ分析【那須川天心の相手 プライムボクシング13】

ボクサー強さ解説
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こんにちは。今回はボクシング界で今、じわじわと注目を集めているビクトル・サンティリャンについて深堀りしていく。ドミニカ共和国出身のバンタム級サウスポーであり、2025年6月8日には東京都・有明コロシアムで那須川天心との一戦を控えている。この対戦カードは、国内外のボクシングファンからも大きな関心を集めている。

ビクトル・サンティリャンとは一体どんなボクサーなのか。彼のこれまでのプロフィール、戦績、主な試合、ファイトスタイルについて徹底的に紹介していきたい。

プロフィール

名前ビクトル・サンティリャン
生年月日1995年7月22日
デビュー2018年4月7日
出身地ドミニカ共和国
身長167cm
リーチ?cm
タイプ左ボクサーファイター
階級バンタム級 (53.52キロ)

ビクトル・サンティリャンの本名はビクター・ダニエル・サンティリャン・ペレス。1995年7月22日にドミニカ共和国ラ・ロマーナで生まれた。身長は167センチメートルとバンタム級では標準的な体格である。スタイルはサウスポー、つまり左構えを基本とする。現在29歳という年齢で、ボクサーとしては成熟期に差しかかっているタイミングである。

ドミニカ共和国はこれまでにも数々のボクシング王者を輩出してきたが、サンティリャンはその流れを継ぐ存在として注目されている。日本における知名度はまだ高くないが、那須川天心戦を機に一気にブレイクする可能性も秘めている。

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戦績

アマ戦績  225戦200勝25敗
プロ戦績  15戦14勝(5KO)1敗
世界戦戦績 経験なし
※那須川戦前の戦績

サンティリャンは2018年4月7日、プエルトリコ・ポンセでプロデビューを果たした。デビュー戦の相手はルイス・リオス。試合は初回2分37秒TKOという鮮烈な形で白星を飾った。

その後も順調に勝ち星を重ね、2019年末時点で8戦全勝。スーパーバンタム級を主戦場にしながら、堅実なボクシングで着実にキャリアを積み上げた。2021年にはWBAカリブ海バンタム級王座を獲得。世界タイトル挑戦に向け、確実に階段を登ってきた。

しかし、2023年6月11日、大阪で石田匠とWBA世界バンタム級挑戦者決定戦を戦い、キャリア初黒星を喫する。判定1-2という僅差の敗北ではあったが、これにより世界挑戦の夢は一度遠のくこととなった。

それでも2024年にはサントドミンゴでアルフリー・ラミレスに圧勝。試合内容でも大きな成長を感じさせ、戦績を15勝(8KO)1敗とした。プロボクサーとしては順風満帆とは言い難いが、逆に言えば、失敗と再起を経験して強くなった選手であると言える。

試合実績

日付勝敗時間内容対戦相手国籍備考
12018年4月7日1R 2:37TKOルイス・リオスプエルトリコプロデビュー戦
22018年6月9日4R判定3-0アレックス・ディアスアメリカ合衆国 
32018年8月10日4R判定3-0エリオット・デ・ヘススプエルトリコ 
42018年11月16日4R判定2-0クリスチャン・ベレスプエルトリコ 
52018年12月15日2R 終了TKOアニーロ・ムニョスドミニカ共和国 
62019年3月16日5R 1:36KOケルビン・フィガロドミニカ共和国 
72019年9月27日6R判定3-0ジェイソン・ベラプエルトリコ 
82019年12月15日8R判定3-0ルイス・ドミンゴ・エルナンデス・カムベロドミニカ共和国 
92020年12月17日6R判定3-0ケルビン・フィガロドミニカ共和国 
102021年5月15日10R判定3-0ホセ・アルマンド・バルデス・ベルナルメキシコWBAカリブ海バンタム級王座決定戦
112021年12月8日6R 0:41TKOマヌエル・ゴンサレス・ガルシアドミニカ共和国 
122022年6月11日8R判定3-0カルロス・カラバロプエルトリコ 
132022年12月16日6R 0:05TKOレンソン・ロブレスベネズエラ 
142023年6月11日×12R判定1-2石田匠(井岡)日本WBA世界バンタム級挑戦者決定戦
152024年6月28日10R判定3-0アルフリー・ラミレスドミニカ共和国 
162025年6月8日試合前那須川天心(帝拳)日本 

サンティリャンのプロ初戦は、その後のキャリアを象徴する内容だった。初回KO勝利という圧倒的なデビューで、周囲に衝撃を与えた。続く試合も連戦連勝。トルヒージョ・アルトやキーウェストといった中米・カリブ地域を中心にキャリアを積み上げた。

大きな転機となったのは、2021年5月15日に行われたWBAカリブ海バンタム級王座決定戦である。この試合ではホセ・アルマンド・バルデス・ベルナルを10回判定で下し、キャリア初のベルトを手にした。

さらに2022年6月、ボクシングの聖地とも呼ばれるニューヨーク・マディソン・スクエア・ガーデンのリングに立ち、カルロス・カラバロと対戦。8回判定で勝利し、世界進出の足掛かりを築いた。

一方で、2023年の石田匠戦ではキャリア初黒星を喫し、課題も浮き彫りとなった。とはいえ、敗北から学び、再起して2024年のラミレス戦では完璧な内容で復活。これらの経験はサンティリャンにとって、大きな財産となっている。

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ファイトスタイル・能力

ビクトル・サンティリャンのファイトスタイルを一言で表現するなら、「堅実なバランサー」である。スピード、パワー、テクニックのいずれかが飛び抜けて優れているわけではないが、それぞれがプロ平均以上のレベルに達している。

派手なノックアウトを狙うよりも、試合をコントロールし、ポイントを積み重ねるスタイルを得意とする。大胆さよりも堅実さを重視し、リスクを避けながら着実に自分のペースを作る。このため、試合展開がスローペースになりやすいという特徴もある。

世界王者クラスのファイターと比較すると、インパクトに欠ける部分は否めない。しかし、どんな相手にも一定のパフォーマンスを発揮できる安定感は見逃せない魅力と言える。

オフェンス

攻撃において最も特徴的なのは、サウスポー特有の右ジャブを中心とした距離コントロールである。相手の前進を寸断し、自分に有利な距離で試合を運ぶ能力に長けている。

近距離においてはアッパーカットやショートフックを多用する。特にアルフリー・ラミレス戦では、距離を詰めて積極的に打ち合う場面が目立った。もともとはアウトボクシング寄りのスタイルだったが、近年はインファイトでも戦えるよう進化してきた。

また、前に出てくる相手に対してはカウンターの右ストレートを鋭く合わせる。タイミングを読む能力には優れており、真正面から突進してくるタイプのファイターにとっては非常に厄介な相手である。

とはいえ、一発で試合を決めるような強烈なパンチ力はないため、連打やポイントメイクを重ねて相手を削るスタイルが基本となっている。

ディフェンス

防御面では両手を高く上げたハイガードを基本に、上体のボディワークで被弾を最小限に抑える技術を持っている。ただし、ステップワークには課題があり、特に速い足を持つ相手に対しては動きについていけず被弾する場面も見られる。

アマチュアキャリアが長いにもかかわらず、フットワークの切れや回避動作の速さに欠けるというのは弱点の一つだ。特に那須川天心のようなスピードとテクニックを併せ持つファイターには厳しい戦いを強いられることが予想される。

また、近年の試合では被弾シーンも目立つようになっており、ディフェンスの精度をどこまで高められるかが今後の大きな課題となっている。

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那須川天心戦 注目ポイント

1. 天心のスピード

那須川天心といえば、これまでキックボクシング界を席巻してきた異次元のスピードを武器にしてきたファイターである。プロボクシング転向後も、そのスピードは群を抜いており、リング上での動きは一瞬たりとも目を離せない。攻防一体となった速攻スタイルは、まだ世界タイトルに届いていないとはいえ、すでに国内トップレベルに到達している。

対するビクトル・サンティリャンは、決して派手なボクシングをするわけではないが、リズムを崩さず試合を組み立てる巧さを持つ。だが、これまで対戦してきた相手の中で、那須川ほど速い選手は存在しなかった。天心のスピードに飲み込まれず、冷静に自分のペースを守れるかどうかは、この試合の鍵を握る。

果たして、サンティリャンが天心の猛攻をいかにしのぎ、ワンチャンスを狙うのか。それとも、天心がスピードで一気に試合を決めてしまうのか。開始のゴングが鳴った瞬間から、目が離せない攻防が展開されるはずだ。

2. サンティリャンの”タフネス”

ビクトル・サンティリャンは、石田匠に判定負けを喫したものの、これまでKO負けを一度も経験していない。タフさと粘り強さには定評があり、相手に簡単に心を折られるタイプではない。そのため、たとえ那須川天心の鋭いコンビネーションに晒されたとしても、簡単には崩れない可能性が高い。

また、サンティリャンは試合が進むにつれて徐々にリズムを掴むタイプである。序盤に圧倒されても、中盤以降に盛り返す粘りを見せることが多い。この耐久力が発揮されれば、那須川にとっても決して楽な試合にはならないだろう。

もしサンティリャンが前半を耐えきり、天心に疲れが見え始めた中盤戦に持ち込めば、思わぬ波乱が生まれる可能性すらある。試合展開によっては、後半にスリリングなドラマが待ち受けているかもしれない。

3. 天心が求められるプレッシャー

那須川天心に課せられているのは、単なる勝利ではない。ボクシング界から期待されているのは、「圧倒的な勝ち方」である。これまでの戦いぶりを考えれば、ただ判定で勝っただけでは物足りないという見方も根強い。特に今回は、世界進出を見据えるうえで重要な一戦であり、完勝が求められている。

一方、ビクトル・サンティリャンはこの試合に人生を懸けている。無名の挑戦者として乗り込むアウェーのリング。下馬評では圧倒的に不利とされながらも、勝てば一夜にしてスターになれる大チャンスだ。失うものがないからこそ、サンティリャンは大胆な戦い方に出る可能性が高い。

そう考えると、この試合は単なる「格下相手のお披露目試合」ではない。那須川天心にとっては、自らの未来を切り開くためにも、圧倒的な内容で勝利しなければならない試練のリングだ。そしてサンティリャンにとっては、自らの存在を世界に知らしめるための、唯一無二の舞台なのである。

リングの上で交錯する、ふたつの強烈な思惑と覚悟。勝利への渇望がぶつかり合う瞬間を、見逃してはならない。

4.決定的な「実力差」

この試合の構図を冷静に分析すれば、やはり那須川天心がすべての面で上回っていることは明白である。スピード、パワー、テクニック、ディフェンス能力、リングIQ、どれを取っても天心が数段上だ。特に攻防の切り替えの速さと、タイミングを外すジャブワークは、サンティリャンには未体験の領域だろう。

サンティリャンも悪い選手ではない。バランスが良く、インファイトもできる。しかし、「特別な武器」がない。世界王者クラスと比べるとスピードもパワーも平凡であり、爆発力に欠ける部分がある。それは過去の試合を見れば一目瞭然だ。

対して天心は、常に相手の想像を超える技をリング上で繰り出してきた。ボクシング転向後もなお、独特の間合いとリズムは健在であり、サンティリャンがそれに対応できる保証はない。むしろ、試合が進めば進むほど、天心の圧倒的な差が浮き彫りになっていくだろう。

この試合は、那須川天心がどのようにサンティリャンを攻略し、どのようにフィニッシュに持ち込むのか――そのプロセスを楽しむ一戦である。天心の次なるステージへ向けた「通過儀礼」なのだ。

観る者すべてが、その瞬間を目撃することになる。那須川天心という才能が、さらに進化する夜を――。

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