本記事では、5月7日に行われるスーパーミドル級主要4団体防衛戦サウル・アルバレス選手VSジョン・ライダー選手の試合を解説レビューしていきます。
よろしくお願いします。
サウル・アルバレス選手について
アルバレス選手は、右ボクサーファイターのオーソドックススタイルです。
インファイトもアウトボクシングも、どちらも器用にこなせる完璧なボクサーです。
様々な戦術や攻撃のバリエーションをもつアルバレス選手ですが、中でも彼の特徴的な攻撃といえば、
右のオーバーハンド
右オーバーフェイントから左ボディアッパー
この2種類の攻撃が非常に強力です。これで、何度も相手を倒しているのではないでしょうか。
まず、右オーバーハンドについてですが、相手とかなり離れた距離でもノーモンションから大きく踏み込み、スイング軌道の強烈なパンチを打ちます。
顎に当たれば一発で試合が終わります。
しかし、こちらの攻撃はモーションが大きいため、交わされたりガードされることも多くあります。
そこで、活きてくるのが2つ目の右オーバーハンドモーションのフェイントを使った左ボディアッパーです。
右オーバーハンドを相手にうち、その強力さゆえに相手は右をもらってはいけないと警戒します。その警戒を利用し、オーバーハンドのフェイントをすることで、その逆軌道の左ボディアッパーが活きてきます。
右のフェイントに引っかかってしまった相手は、逆サイドの見えないところから強打が飛んでくるため、避けるのは非常に難しいです。
彼は最強のパワーを兼ね備えつつもテクニシャンでもあるため、上のような賢い戦術をいくつも持っています。
ジョンライダー選手について
ライダー選手は左ボクサーファイターのサウスポースタイルです。
置きにいく右ジャブからタイミングをとり、思い切りのいい飛び込みの左ストレート、左ボディ、スイング軌道の左フックを得意とします。
攻撃姿勢が良く、前に出てアグレッシブに攻撃をしかけます。よく前にでる影響でクリンチをすることが多くあります。インファイトでのアッパー打ちも非常に上手いです。
ディフェンス面に関しては、良い方ではありません。
相手の攻撃に対して、ダッキングやスウェーをしますが、その反応速度が遅く、バックステップをほとんどしないため、伸びる攻撃に対してパンチをもらう事が多く見られます。
試合展開
試合全体に関して、両選手とも前によく出て攻撃するため、近い距離での打ち合いが多い緊張感のある試合でした。
まず、試合が動いたのは5ラウンド目です。
アルバレス選手の伸びのあるワンツー攻撃がライダー選手を捉え、ダウンを奪いました。近い距離からライダー選手が離れた直後に少しタイミングをズラしたワンツーストレートがライダー選手の腕の間を通りクリーンヒットしました。
続いて8ラウンド目です。
ライダー選手のプレス攻撃の後、ライダー選手が少し離れたところにアルバレス選手の得意の右オーバーハンドのスイングが命中し2度目のダウンを奪いました。身体が飛ばされる程の衝撃でかなりダメージを負ったように見えましたが、直後のゴングに救われました。
特に終盤にかけてライダー選手が何度も苦戦をしいられながらも、なんとか12ラウンドフルまで戦い抜き試合終了です。
判定は、120対107、118対109、118対109の3対0で、サウル・アルバレス選手の勝利となりました。なお、ジャッジの1人はフルマークでつけており、アルバレス選手の圧勝という結果になりました。
感想
まさにアルバレス選手の圧勝劇という試合になりましたね。
ライダー選手が攻撃の打ち終わりや安易に近づいた際に、アルバレス選手の伸びのある攻撃に対応できなかったことに力の差を感じました。
しかし、この試合で驚いたのは、ジョンライダー選手のメンタルの強さやタフネスな部分です。
5ラウンドと8ラウンドのダウンや6ラウンドと9ラウンドにフラつくシーンが見られましたが、ライダー選手は常に攻撃姿勢を止めず最後まで戦い抜きました。非常にタフな選手だと感じました。
ライダー選手のインファイトを仕掛けた際のアッパーや左ストレートは何度か当たっている場面もあり、アルバレス選手の圧勝とは言いつつも、ジョンライダー選手の評判が良くなった試合でもあったのではないでしょうか。
ですが、やはりパウンドフォーパウンドの常連ですね。アルバレス選手は全く危ない場面もなく素晴らしい試合を展開していたと思います。
アルバレス選手の左ボディ、右ストレート、両手のフック攻撃、どれも強力でしたし、ディフェンスに関しても、ライダー選手のスピードのある飛びつき攻撃にも完璧に対応していました。
彼は、やはり簡単には負けないボクサーですね。
本記事は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。