こんにちは、ボクシングファンのミキです。
本記事では、2023年7月25日におこなわれた運命の一戦、世界スーパーバンタム級WBC・WBOタイトルマッチ、王者スティーブンフルトン選手VS挑戦者井上尚弥選手の試合結果をレビューしていきます。
よろしくお願いいたします。
王者スティーブン・フルトン
プロフィール
生年月日 1994年7月17日
出身地 アメリカ フィラデルフィア
身長 169㎝
リーチ 179㎝
タイプ 右ボクサーファイター
階級 スーパーバンタム級
実績 主要2団体統一(スーパーバンタム級)
ファイトスタイル
フルトン選手は、右のオーソドックススタイルです。
アウトボクシングから展開するスピードの速いジャブやワンツーを軸とし、インファイトではクリンチワークなどのディフェンス能力が非常に高い選手です。
ただし、ハードなパンチを打てる選手ではありません。
強いパンチを狙い一発で倒すのではなく、技巧派スタイルで相手の体力を徐々に奪い、ポイント優勢勝ちに持っていくような試合を展開します。
挑戦者井上尚弥
プロフィール
生年月日 1993年4月10日
出身地 神奈川県座間市
身長 165cm
リーチ 170cm
タイプ 右ボクサーファイター
階級 ライトフライ級
スーパーフライ級
バンタム級
スーパーバンタム級
実績 世界3階級制覇
主要4団体統一(バンタム級)
ファイトスタイル
ボクサーファイターの右オーソドックススタイルです。
スピード、パワー、テクニックの全てが超一流な上に空間支配能力が高く、時には冷静に、時には予想外の派手な攻撃もできるボクサーです。
オフェンスのバリエーションが多くあり、キレのあるコンビネーションパンチや高速カウンターが非常に魅力的です。特に左フック、左ボディは、世界一です。
また、ディフェンステクニックも、相当高いです。
スウェーバックや高速バックステップ。太ももの筋力が優れており、ステップの幅が大きくとてつもない速さです。ボクシングに特価した体つきは、井上尚弥選手の努力の賜物だと思います。
試合感想レビュー
まさに圧巻の試合でした。
試合序盤の攻防は非常に驚きました。両選手とも冷静な入り、ジャブの差し合いをする展開から試合が始まりました。
驚くべきは、ジャブの的中率です。リーチの差では、フルトン選手の方が8cm長く、体格的にフルトン有利との声が多くあったはずなのに、
尚弥選手のジャブはささり、フルトン選手のジャブは当たらない。フルトン選手のステップを上回る尚弥選手のステップワークだったということです。
さすがとしか言いようがないですね。
ジャブの攻防から尚弥選手が初めて右の攻撃をだした途端にフルトン選手の反応が変わったように見えました。少し笑みを浮かべながら「おれには効いてないぞ」というようなアピールがありました。しかし、これをやるときというのは大概焦っている時です。以降、尚弥選手の右ストレート攻撃を極端なバックステップとガードで警戒していたため、やはり尚弥選手の最強のパワーに驚いていたのだと思います。
「この右ストレートをくらえば、負ける」
このようにフルトン選手は思ったのではないでしょうか。
1~3ラウンドまでは、オフェンス・ディフェンス・手数全て尚弥選手が勝っていたと思います。特に尚弥選手の左のボディストレートは命中率が高く、有効な攻撃だったと感じました。
しかし、4ラウンド以降フルトン選手の完璧なディフェンスにより、尚弥選手の命中率が下がっていき、逆にフルトン選手の攻撃が届くようになっていきました。フルトン選手も無敗の最強ボクサーです。やはり、適応能力がズバ抜けていると感じました。
4ラウンドと7ラウンドに関しては、尚弥選手が攻撃を被弾するシーンも観られ、もしかしたらフルトン選手にポイントが入っていたかもしれません。まさに最強VS最強というのにふさわしい試合展開でした。
運命の8ラウンド目、変わらず右ストレートに対しバックステップとガードによる極端なディフェンスをするフルトンでしたが、ほんのわずかな一瞬のスキを尚弥選手は見逃しませんでした。
井上尚弥選手のノーモーションの入りからのコンビネーションに対し、フルトン選手はバックステップが間に合わず右ストレートを被弾し、たったこの1発で勝負が決まりました。
左のボディストレートから右ストレートのコンビネーション、更にひるんだフルトン選手に追い打ちの左フックで一度目のダウンを奪いました。
一度は、立ち上がりましたが、そこからコーナーに追い込んで尚弥選手が何発もの連打を浴びせ、テクニカルノックアウトとなりました。
この勝利により、スーパーバンタム級世界2団体王座獲得の他、史上5人目となる無敗での4階級制覇達成、更には世界史上初の4階級のタイトル全てKOでの獲得という偉業を成し遂げました。
日本のみならず世界のボクシング界の歴史に刻まれるような完璧な試合だったと思います。この感動の試合を届けてくれた井上尚弥選手とスティーブンフルトン選手に心より感謝申し上げます。
井上尚弥選手、スティーブンフルトン選手、本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
本記事は以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました。