ボクシングのA級・B級・C級のライセンスとは

ボクシング知識
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プロボクシングという過酷な世界において、「ライセンス」の存在は避けて通れない。テレビで見るような激闘の裏には、血と汗と涙、そしてプロとして認められるための資格がある。

この記事では、「ボクシング A級・B級・C級のライセンスとは?」という疑問に対して、初心者でもわかりやすく、かつ専門的な観点からも深く解説していく。

プロボクサーになるために必ず通る道、JBC(日本ボクシングコミッション)ライセンス制度の真実をここに明らかにする。

プロライセンスとは何か

まず、プロボクシングのライセンスとは、単なる「資格」ではない。これは、ボクシングを職業としてリングに立つための許可証であり、世界中で闘うボクサーたちの「名刺」とも言える。

このライセンスは、日本ボクシングコミッション(JBC)によって管理されており、JBCが定めたプロテストに合格しなければ、プロとして一歩も踏み出すことはできない。

最近では、那須川天心選手がプロテストに合格し話題をさらった。キックボクシングで無敗を誇った彼ですら、正式なプロテストを経てライセンスを取得したのである。

このことからも、プロライセンスの重みと価値の高さがうかがえる。

受験資格と条件

プロテストは誰でも受けられるわけではない。以下のような明確な受験資格がある。

満16歳以上34歳以下の男女であること。これが年齢の基本条件であり、35歳以上は原則受験できない。

さらに、JBC指定のコミッションドクターによる健康診断に合格することが必須となる。ボクシングは命に関わるスポーツであり、心身の健康状態は極めて重要視される。

そして、もう一つの条件が、日本プロボクシング協会加盟のボクシングジムに所属していること。つまり、正規のプロボクシングジムに籍を置いていなければ、そもそも受験資格が与えられないのだ。

このように、プロライセンス取得には、確かなトレーニング環境と健康状態、適切な年齢が求められるのである。

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C級ライセンスとは何か

まず最初に取得を目指すのがC級ライセンスだ。

このライセンスは、4回戦(4ラウンド)の試合を行うプロボクサーとして認められる証である。多くの選手が、このC級テストからキャリアをスタートさせる。

JBCによるプロテストでは、技術力、スタミナ、攻撃・防御のバランスなどが審査される。ボクシング技術の基礎を徹底的に見られるのがC級テストの特徴だ。

ただし、例外もある。アマチュアで優れた実績(全日本ランキング10位以内など)を持つ選手は、このC級テストを免除され、いきなりB級からの受験が認められる特例が存在する。

この特例は、アマチュアからプロへの華麗なる転身を可能にするが、認められるには確かな実績が必要である。

B級ライセンスの実力

B級ライセンスは、6回戦(6ラウンド)の試合が許される中堅レベルのプロボクサーの証明である。

C級から昇格するためには、4回戦で4勝(引き分けは0.5勝扱い)を積み重ねる必要がある。この成績が満たされた時、B級ライセンスへの昇格申請が認められる。

また、アマチュアでC級免除の条件をクリアした者は、直接B級プロテストを受けて合格することで、B級からプロとしてスタートすることもできる。

つまり、B級ライセンスは、プロボクサーとしての次なるステージへの踏み台であり、将来的なタイトルマッチを視野に入れた本格的なキャリアのスタート地点となるのだ。

A級ライセンスの価値

A級ライセンス。これは、8回戦以上の試合に出場可能な、プロボクシング界のエリート層の称号である。

B級ボクサーがA級へ昇格するには、6回戦で2勝(引き分けは0.5勝)を上げる必要がある。これは容易な道ではない。実力と実績の両面で証明されなければ、A級には昇格できない。

だが、ごく稀に存在するのが、A級からデビューする特例選手たちである。

過去にこの特例でA級からプロデビューした選手には、井上尚弥、池山伊佐巳、ロイヤル小林など、日本ボクシング史に名を刻む猛者たちが名を連ねる。

彼らはオリンピックや全日本選手権でずば抜けた成績を残していたため、JBCがその実力を認めたのである。

この制度があるとはいえ、実際にA級デビューを許された選手はごくわずか。那須川天心ですらB級スタートであることからも、その狭き門ぶりがわかるだろう。

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タイトルマッチへの道

A級ボクサーに昇格したからといって、すぐにタイトルマッチができるわけではない。だが、ここからが本当のスタートラインだ。

A級で8回戦に勝利し、実績を積み上げれば、日本タイトル、東洋太平洋タイトル、WBOアジアパシフィックタイトル、そして世界タイトルといった、あらゆる階層の王座を狙うことが可能になる。

具体的には、日本タイトルマッチは10回戦で行われる。東洋太平洋(OPBF)やWBOアジアパシフィックのタイトル戦、そして世界主要4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)のタイトルマッチはすべて12回戦で行われる。

つまり、プロボクサーとして頂点を目指すには、A級で勝ち続け、12ラウンドの試合を戦い抜く力を持たなければならない

この過酷な闘いを経てこそ、「世界チャンピオン」の称号が見えてくるのだ。

まとめ:ライセンスとは進化の証明

ここまで読んできたあなたにはもうわかるはずだ。

プロボクサーのA級・B級・C級ライセンスとは、単なるカテゴリーではない。それは、選手の成長と実力を証明する進化の階段であり、一つひとつの級にそれぞれのドラマが存在する。

C級での初陣、B級への挑戦、A級への昇格、そしてタイトルマッチへの出陣。

それぞれの階段を上がるたび、ボクサーは己を磨き、リングの中でしか見られない真実と向き合っていく。

この過程こそが、ボクシングという競技の魅力であり、そしてプロライセンスという存在の意義なのである。

あなたがもしプロボクサーを目指しているのなら、まずはC級ライセンスの取得からすべてが始まる。

その第一歩は、きっと人生を変える一歩になるだろう。

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※本記事では、X(旧Twitter)に投稿されたポストを情報の補足および参考とするため引用しています。
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