堤聖也選手の戦績と強さ分析【ボクサー紹介】

ボクサー強さ解説
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ボクシングという競技は一撃で全てがひっくり返るスリルと、12ラウンドにわたる攻防のドラマが魅力である。その中で今もっとも熱い注目を浴びている日本人バンタム級ファイターが堤聖也である。井上尚弥という歴史的な王者が階級を上げた後、群雄割拠の様相を呈しているバンタム級で、新たなスター候補として頭角を現しているのがこの堤聖也だ。2024年にはWBA世界バンタム級王者となり、さらに大激戦を演じたことでボクシングファンの心を強く揺さぶった。ここではその堤聖也のプロフィール、戦績、代表的な試合、そしてファイトスタイルの詳細を徹底的に掘り下げ、ボクシングの魅力を堪能してもらいたい。

プロフィール

名前堤 聖也
生年月日1995年12月24日
デビュー2018年3月27日
出身地熊本県熊本市
身長166cm
リーチ164cm
タイプ左右ファイター
階級バンタム級 (53.52キロ)

堤聖也は日本を代表するプロボクサーであり、バンタム級世界王者として国内外から注目を集めている。1995年生まれで東京都出身。幼少期から格闘技に親しみ、アマチュア時代には全国大会でも輝かしい実績を残している。プロ転向後も着実に戦績を積み上げ、スピード、テクニック、そして勝負強さを武器に世界の舞台に上り詰めた。堤は礼儀正しく冷静な性格を持ちながら、リングに上がれば別人のように闘志を燃やす。試合前はクールだが、試合中は闘犬のように攻撃的な姿勢を崩さない点が魅力である。

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戦績

アマ戦績  101戦84勝(40KO)17敗
プロ戦績  15戦12勝(8KO)無敗3分
世界戦戦績 2戦1勝無敗1分
※2025年2月24日時点

堤聖也の戦績は無敗を維持している点が最大の強みである。プロデビュー以来、一度も黒星を喫していない。その中には日本タイトル戦や地域タイトル戦を含む重要な試合が数多く含まれている。

特に2023年、長年バンタム級の頂点に立ち続けた井上拓真を破り、WBA世界バンタム級王座を奪取した試合は衝撃的であり、日本ボクシング界の世代交代を象徴する一戦となった。

その後の初防衛戦では日本の比嘉大吾を相手にドローという結果になったが、その内容は12ラウンドを通して激戦の連続で、世界戦の歴史に残る試合と評された。戦績を数字だけで語るのは容易いが、その一戦一戦の濃さこそが堤を真のチャンピオンたらしめている。

試合実績

日付勝敗時間内容対戦相手国籍備考
12018年3月27日1R 1:31KOアロンコーン・ガイシータイプロデビュー戦
22018年6月17日1R 1:14KOガムライヨック・オーワンダヴィータイ 
32018年9月24日3R 1:35TKO稲元純平(熊谷コサカ)日本B級トーナメント2018バンタム級決勝
42018年10月14日6R判定3-0ユー・ジアチ中国 
52019年4月14日1R 1:52TKOライアン・ポンテラスフィリピン 
62020年1月28日8R判定0-1中嶋一輝(大橋)日本GOD’S LEFTバンタム級トーナメント決勝
※優勢点により決勝敗退
72020年10月26日10R判定0-1比嘉大吾(Ambition)日本 
82022年6月23日8R 0:47TKO澤田京介(JB SPORTS)日本日本バンタム級タイトルマッチ
92022年10月20日9R 2:42TKO大嶋剣心(帝拳)日本日本防衛1
102023年3月20日7R 1:41TKO南出仁(セレス)日本日本防衛2
112023年8月30日10R判定3-0増田陸(帝拳)日本バンタム級モンスタートーナメント準決勝
日本防衛3
122023年12月26日10R判定3-0穴口一輝(真正)日本バンタム級モンスタートーナメント決勝
132024年7月7日4R 1:13TKOウィーラワット・ヌーレタイ 
142024年10月13日12R判定3-0井上拓真(大橋)日本WBA世界バンタム級タイトルマッチ
152025年2月24日12R判定0-0比嘉大吾(志成)日本WBA防衛1→休養王座に認定

堤聖也のキャリアを語る上で外せないのは井上拓真戦比嘉大吾である。井上戦では相手の経験値を超えるアグレッシブさと、試合全体を支配する集中力を発揮し、見事に王座を奪取した。比嘉戦は12ラウンドを戦い抜いた末にドロー判定となったが、両者がダウンを奪い合う劇的な展開で、観客の記憶に深く刻まれる試合となった。

この試合で堤はキャリア初のダウンを喫したが、そこから驚異的な粘りを見せ、逆にダウンを奪い返した。まさにボクシングの怖さと面白さを体現した名勝負であった。これらの試合実績によって堤は国内外のファンに強烈な印象を与え、バンタム級のトップファイターとして確固たる地位を築いたのである。

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ファイトスタイル・能力

堤聖也のファイトスタイルは、攻撃性と冷静な技術の両立にある。基本的には前進圧力をかけながら試合を組み立て、手数とコンビネーションで相手を追い込むタイプだが、ただの打ち合いでは終わらない。相手の隙を突くカウンターの精度も高く、打ち合いの中に冷静さを残している。12ラウンドを通してペースを落とさない運動量と、最後まで攻め続ける気持ちの強さが武器となっている。さらに堤はスイッチボクサーとしての能力を持ち、サウスポーとオーソドックスを自在に切り替えることができる。左右どちらの構えからでも変則的なコンビネーションを繰り出し、相手に対応させない戦術を展開する。左右のストレートはいずれも十分な威力を持ち、構えを変えることでリズムを狂わせ、相手を混乱させる。堤の試合は常にスリルに満ちており、一瞬も目を離せない。

オフェンス

堤の攻撃の軸は鋭いジャブと爆発力のあるストレートである。ジャブは距離を測るだけでなく、相手のリズムを崩し、さらに強烈な右につなげる布石となっている。インファイトでも連打を仕掛ける積極性があり、ボディへのコンビネーションで相手を削る戦いも得意としている。さらに打ち合いの中で放つショートアッパーやフックは破壊力抜群で、相手に常にプレッシャーを与える。特に平賀戦で見せた右ストレートのカウンターは、試合の流れを一気にひっくり返すほどの威力を持っていた。攻撃における多彩さと爆発力は堤の最大の武器である。

ディフェンス

攻撃的なスタイルながら、防御においても堤は優れた能力を発揮している。ステップワークを使い、細かい頭の動きで相手のパンチを外し、すぐに反撃に転じる。特にジャブをもらった後のリターンが早く、受けてからすぐ返す反応速度は一級品である。ただし完全なディフェンシブファイターではなく、リスクを背負ってでも攻める姿勢を崩さないため被弾も少なくない。しかしその分試合は常にエキサイティングになり、観客を熱狂させる要因となっている。

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試合の注目ポイント

無敗を守る精神力

堤聖也の最大の注目点は無敗を維持する強靭なメンタルである。試合の中で劣勢に立たされても絶対に諦めず、最後まで戦い抜く姿勢を見せる。初めてのダウンを経験した比嘉戦でも立ち上がり、逆に流れを奪い返した精神力は特筆すべきものだ。

終盤でのギアチェンジ

堤は序盤から中盤でポイントを失う展開があっても、終盤に圧倒的なギアチェンジを見せる。ラウンドが進むごとにペースを上げ、最後の12ラウンドで相手を押し切る試合が多い。試合の後半こそ堤の真価が発揮される時間帯である。

コンビネーションの多彩さ

単発のパンチだけでなく、多彩なコンビネーションで相手を追い詰めるのが堤の特徴である。ジャブから右ストレート、フックからボディ、アッパーの連動など、状況に応じて柔軟に攻撃を組み立てる力は相手にとって脅威となる。

カウンターの爆発力

打ち合いの中で見せる一撃必殺のカウンターは大きな魅力だ。特に右ストレートのカウンターは試合を一変させる破壊力を持っており、平賀戦での逆転劇がその象徴である。カウンターの存在こそ、堤の試合に常にドラマを生む要素となっている。

スタミナとアグレッシブネス

堤は12ラウンドを戦い抜くスタミナを誇り、最後まで手数を落とさない。常に前へ出るアグレッシブネスは観客を魅了し、判定においても有利に働くことが多い。相手にとっては最後まで休む暇のない戦いを強いられるため、精神的にも削られる。

まとめ

堤聖也は、バンタム級という激戦区で無敗を維持する稀有な存在である。井上拓真を倒して世界王者となり、比嘉大吾との死闘でさらに評価を高めた。攻撃と防御のバランス、終盤でのギアチェンジ、そして何より強靭なメンタルが彼を支えている。今後は井上尚弥との再戦や、国内外の強豪との対戦が期待される。バンタム級の歴史に名を刻む可能性を秘めたファイターであり、その試合は常にボクシングファンの心を震わせるだろう。堤聖也こそ、これからの日本ボクシング界を牽引する存在である。

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